【過去問解説(企業経営理論)】H28 第6問 競争戦略(ポーター)

昨日、2次試験の問題が中小企業診断協会HPにアップされました。

今週末に解答を作成し、来週頭から順次公開させていただきたいと思っております。

 

それでは今日は企業経営理論H28第6問について解説します。

 

H28 企業経営理論 第6問
企業が競争優位を獲得するための競争戦略のひとつであるコスト・リーダーシップ戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア コスト・リーダーシップ戦略では、継続的に自社製品を購入する顧客を確保するために、ブランド・ロイヤルティを高めることが課題となり、企業の提供する付加価値が明確になっている。
イ コスト・リーダーシップ戦略は、市場成長率が安定してきて、製品ライフサイクルの成熟期以降に採用する戦略として適しており、企業が脱成熟をしていくうえで有益な戦略となる。
ウ コスト・リーダーシップ戦略は、多角化した企業において、シナジーの創出によるコスト削減を目指していく戦略であるので、事業間の関連性が高い企業の方が、優位性を得やすくなる。
エ コスト・リーダーシップ戦略を行う企業が、浸透価格政策をとると、自社の経験効果によるコスト低下のスピードは、競合他社よりもはやくなる。
オ コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業は、特定モデルの専用工場を建設し、生産性の高い設備を導入しており、新しい市場ニーズへも迅速に対応できる。

 

ポーターの基本戦略のうち、コスト・リーダーシップ戦略について問われています。
 

コスト・リーダーシップ戦略とは、業界のトップ企業となり多くの製品を作ることで、生産コストを抑えるという戦略でしたね。
価格ではなくコストに重点が置かれていて、業界でも最多の量を生産することで、規模の経済や経験曲線効果が働き、製造コストが他社よりも安く抑えられます。その結果、他社よりも高い利益率を確保できたり、他社よりも安く製品を販売できたりするため競争優位を構築することができます。
この戦略を採用する場合のリスクとしては、技術革新によってさらに低コストな商品が出現する、または、市場変化により新製品などへの乗り換えが起こり、競争優位を失ってしまうという点が挙げられます。

これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アについては、コスト・リーダーシップ戦略は付加価値というよりは生産コストを抑えることに主眼が置かれているため×です。

選択肢イでは「企業が脱成熟をしていくうえで有益な戦略」とありますが、コスト・リーダーシップ戦略を取ることが、脱成熟に繋がるとは言い切れませんので、×と考えられます。

選択肢ウは、「シナジーの創出によるコスト削減」とありますが、コスト・リーダーシップ戦略とは、シナジーの創出ではなく、多くの量の製品を作ることによって、生産コストを抑える戦略でした。そのため、この選択肢は×です。

選択肢エはその通りで○です。浸透価格戦略とは、新製品投入の際、低い価格で販売することで、早期に市場シェアを確保し、他社への競争優位性を構築するという戦略です。

選択肢オは、「コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業は(略)新しい市場ニーズへも迅速に対応できる。」とありますが、コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業のリスクとしては、市場変化に対応できないことが挙げられるため、この選択肢は×と判断できます。

以上から正解は選択肢エとなります。

 

 

2020年度版まとめシート(前編)
11月8日より発売開始!

 

 

 

 

—–

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


プロフィール

中小企業診断士一次試験テキスト「一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一次試験 一発合格まとめシート」著者によるブログです。
「まとめシート」の知識を使った過去問解説や、「まとめシート」に関する情報を発信していきます。

◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ