【過去問解説(企業経営理論)】H30 第9問 イノベーション

今日は企業経営理論H30第9問のイノベーションに関する問題について解説します。

企業経営理論H30第9問

技術のイノベーションは発生してから、いくつかの特徴的な変化のパターンをとりながら進化していく。イノベーションの進化に見られる特徴に関する記述として、最も不適切なものはどれか

ア 技術システムが均衡状態にあることが、技術開発への努力を導く不可欠な力になるので、技術間の依存関係や補完関係に注意することは重要である。

イ 技術進歩のパターンが経時的にS字型の曲線をたどることがあるのは、時間の経過とともに基礎となる知識が蓄積され、資源投入の方向性が 収斂(しゅうれん)れんするからである。

ウ 優れた技術が事業の成功に結びつかない理由として、ある技術システムとそれを使用する社会との相互依存関係が、その後の技術発展の方向を制約するという経路依存性を挙げることができる。

エ 製品の要素部品の進歩や使い手のレベルアップが、予測された技術の限界を克服したり、新規技術による製品の登場を遅らせることもある。

オ 連続的なイノベーションが成功するのは、漸進的に積み上げられた技術進化の累積的効果が、技術の進歩や普及を促進するからである。

 

解説

今回は不適切なものを選ぶ問題です。

選択肢アは、技術システムが均衡状態にあるということですから、蓄積されている技術同士がちょうどよく結びつき製品として完成される状況と考えられます。よって、均衡状態からさらに技術開発する必要性は低いと考えられ「均衡状態が努力を導く不可欠な力」とは言い難いと考えられます。むしろ、不均衡状態であることが、技術開発への努力を導く不可欠な力になると言えます。
よって、この選択肢が正解(不適切なもの)です。なお、後半の「技術間の依存関係や補完関係に注意することは重要」という表現は適切です。

よって、正解は選択肢アとなります。
念のため、他の選択肢も確認しましょう。

選択肢イは、技術進歩のS字カーブの説明です。技術進歩は、まず知識の蓄積からはじまり、開発努力を積み重ねる中で、ある時に蓄積された知識同士が結びつき技術が加速し、やがて技術の限界に至るというプロセスをたどります。文中の「収斂」とはやがて収束するという事を指しますから、技術進歩のS字カーブでいう技術の限界点を指しています。
よって、この選択肢は正しい文章(誤り)です。

選択肢ウは、優れた技術が事業の成功と結びつかない理由を説明しています。経路依存性とは、過去の出来事や発展プロセスにより技術の発展方向を制約している状況を指します。有名な例ではパソコンのキーボード配列があります。既に社会になじんでいる規格ゆえに、もっと早くタイピングできる配列があったとしても、多大なスイッチングコストが生じることになるため、技術発展を制約しています。
よって、この選択肢は正しい文章(誤り)です。

選択肢エは、自社の技術ではなく外的要因が技術の加速や遅れを生じさせる説明を指します。自社開発に限界があっても、外部ノウハウの吸収により技術が進む場合もあります。また、企業側が想定していない製品の使い方がユーザー間で流行したことで、新機能を備えた製品の開発・投入を遅らせるといった事も考えられます。
よって、この選択肢は正しい文章(誤り)です。

選択肢オについては、連続的イノベーションの説明です。漸次的な進化というのは、徐々に進化スピードが上がっていくというイメージです。最初は1つの技術ですが、複数の技術を蓄積・融合することでさらなる進化・発展していくのが連続的イノベーションのプロセスです。
よって、この選択肢は正しい文章(誤り)です。

以上より、選択肢アが正解となります。

 

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