【過去問解説(企業経営理論)】R2 第12問 海外展開

今日は企業経営理論のR2第12問について解説します。

R2 企業経営理論 第12問

 C.A.バートレットとS.ゴシャールは、本国の本社と海外拠点間との分業関係や各拠点間の統合のあり方を基軸として、国際的に展開する企業の経営スタイルを、インターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルの4つに分類している。
これら4つの類型の基本的な特性は、それぞれ次のようにまとめられる。

a 資産や能力は本国に集中して、その成果は世界規模で活用される。海外拠点は本国の本社の戦略を忠実に実行する。知識は本国で開発・保有される。
b コア・コンピタンスの源泉は本国に集中するが、その他は分散される。海外拠点は本社の能力を適用し、活用する。知識は本国で開発され、海外拠点に移転される。
c 資産や能力は各国の拠点に分散されるとともに、本社を含む各国の拠点は相互依存的であり、専門化されている。知識は各国の拠点で共同で開発され、世界中で共有される。
d 資産や能力は各国の拠点に分散され、それぞれ自己充足的に活動する。海外拠点は現地の機会を感知して、活用する。知識は各国の拠点で開発・保有される。

上述のa、b、c、dは、それぞれインターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルのいずれに該当するか。それらの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 

〔解答群〕

解説

国際的に展開する企業の経営スタイルに関する問題です。

C.A.バートレットとS.ゴシャールは、グローバル統合度(本国の統制の強さ)とローカル適応度(現地市場・ニーズへの適応度)の2軸によって、多国籍企業を4つの類型に分けています。

それでは早速選択肢の用語を見ていきましょう。

「グローバル」は、世界の市場を単一であると見て、経営資源と権限を本社に集中するスタイルです。よって、aが該当します。

「マルチナショナル」は、各国・地域ごとに市場やニーズに対応すべく、現地の子会社が独立的に事業を行うスタイルです。よって、dが該当します。

「インターナショナル」は、ある程度の海外資源や意思決定権を海外子会社に委任しますが、重要な経営資源と意思決定権は親会社に集中するスタイルです。よって、bが該当します。

「トランスナショナル」は、グローバル統合の効率性とローカル適応の競争優位性の両立を目指し、各子会社に独自の専門的能力が構築されるよう経営資源が分配され、自立化を進めるスタイルです。よって、cが該当します。

以上から正解は選択肢イとなります。

 

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