今日は企業経営理論R2第35問について解説します。
ソサイエタル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 「啓発された自己利益(enlightened self-interest)」の考え方のもとで行われる社会貢献活動であるため、長期的あるいは間接的にも企業やブランドのイメージ、ブランド・ロイヤルティといったマーケティング成果への効果は期待されていない。
イ 消費者の長期的な利益あるいは社会的利益に配慮してマーケティングを行うということだけでなく、それを企業の長期的な経営計画と統合することを目指すマーケティングはサステイナブル・マーケティングと呼ばれるが、これとソサイエタル・マーケティングは同義で使われている。
ウ 製品の売上の一定額を社会的課題の解決のために寄付する行為はコーズリレーテッド・マーケティングとも呼ばれ、実務において社会的価値と密接に結びつけられたソサイエタル・マーケティングの一部である。
エ 病院、大学、協会、NGOなどの非営利組織で培われた考え方を営利組織にも適用したマーケティングである。
解説
まとめシートでも解説していますが、ソサイエタルマーケティングとは、社会的な観点を含んだマーケティングの概念であるソーシャルマーケティングのうち、社会的利益を考慮したマーケティングのことをいいます。
ソサイエタルマーケティングの中には、環境負荷をかけないマーケティングであるグリーンマーケティング、商品やサービスの売上の一部を還元・寄付するコーズリレーテッドマーケティングといった手法もあります。
これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、「長期的あるいは間接的にも企業やブランドのイメージ、ブランド・ロイヤルティといったマーケティング成果への効果は期待されていない」とありますが、そんなことはなく、社会的利益を考慮していますが、マーケティング成果への効果は期待されていないわけではありません。
よってこの選択肢は×です。
選択肢イのサステナイブルマーケティングは、日本語に直すと持続可能なマーケティングという意味で、持続可能性という社会問題の解決と企業の商品やサービスを結びつけることで、他社と差別化したり、企業イメージの向上を図るマーケティング手法です。
必ずしもソサイエタル・マーケティングと同義というわけではありませんので、この選択肢は×と考えられます。
ただ、この選択肢はぱっと見だと判断が難しいかもしれませんので、もし判断に迷ったら、一旦判断を保留して他の選択肢を確認しても良いでしょう。
選択肢ウはその通りで、コーズリレーテッド・マーケティングはソサイエタル・マーケティングの一部です。
ちなみに、コーズリレーテッド・マーケティングについては、過去、2次試験の事例Ⅱで問われたこともあります。
もし、選択肢イで判断を迷った場合でも、選択肢ウと比較すれば正解を選ぶことができたのではと思います。
選択肢エの「病院、大学、協会、NGOなどの非営利組織で培われた考え方を営利組織にも適用したマーケティング」は、ソーシャルマーケティングの一部ですが、ソサイエタル・マーケティングとは異なります。
よってこの選択肢は×です。
以上から正解は選択肢ウとなります。
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