【過去問解説(企業経営論)】R6 第20問 組織構造論

今日は、企業経営論のR6第20問について解説します。

 R6 企業経営論 第20問

組織や集団においては、意見の相違や利害の不一致から、個人間でコンフリクトが発生することが一般的である。コンフリクトへの対処は、自己の利益を追求する度合いと、相手の利益追求を許容し協力する度合いとの組み合わせに応じて、「回避」、「競争」、「協調」、「妥協」、「適応」の5分類に分類される。コンフリクトへの対処に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 「回避」とは、自己の利益を強く主張しない一方で相手の利益もあまり許容できない場合に、問題解決を延期して様子を見るという対処である。互いの対立点が表立つのを避けたい場合にとられやすい。
イ 「競争」とは、相手の利益を最大限に許容しつつ、相手に命令したり相手を説得したりすることで自己の利益も追求するという対処である。権力志向的で高い職位の人間から、順応的な低い職位の人間に対してとられやすい。
ウ 「協調」とは、双方がある程度の利益を獲得しつつ互いに犠牲も払うという対処である。互いの対立点を曖昧にすることでコンフリクトを自然に解消しようとする場合にとられやすい。
エ 「妥協」とは、当事者の一方のみが自己の利益を犠牲にして相手の利益を最大限に許容するという対処である。互いにある程度の利益をとりつつ犠牲も払うという折り合いがつけられない場合にとられやすい。
オ 「適応」とは、相手の利益を犠牲にして自己の利益を追求するという対処である。自己の利益を一方的に追及することで、相手との長期的な関係が損なわれても問題ないと判断される場合にとられやすい。

解説

組織構造論に関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。
「回避」は、コンフリクトから一旦身を引き、様子を見る方法です。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。
「競争」は自己の最大利益を追求する方法です。
当選択肢の「相手の利益を最大限に許容しつつ」から、誤りであることが分かります。
「権力志向的で高い職位の人間から、順応的な低い職位の人間に対してとられやすい」という記述は、今回の5つの分類には含まれませんが「強制」という対応に見られる特徴です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。
「協調」はお互いの意見や利益を尊重し、双方に利がある状態での解決を目指す方法です。
当選択肢の記述は、「妥協」の説明です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。
「妥協」は双方の利害を考慮した上で、双方に利も損もある状態で落としどころを探る方法です。
「当事者の一方のみが自己の利益を犠牲にして相手の利益を最大限に許容」という記述は、今回の5つの分類には含まれませんが「服従」という対応に見られる特徴です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。
「適応」は、双方の意見で衝突しない部分に着目して、双方の関係性の維持、向上を目指す方法です。
当選択肢の記述は、「競争」の説明です。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

 

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