【過去問解説(情報)】H24 第6問 計算誤差

今日は情報のH24第6問について解説します。

H24 情報 第6問

各種業務において様々なソフトウェアを利用しているが、それぞれのソフトウェアでは目的に応じた演算処理が行われている。コンピュータの演算処理では計算誤差が発生する場合のあることが知られているので、計算誤差に対して適切な対応が必要である。
以下の計算誤差に関する記述として最も適切なものはどれか。

ア C言語においては、整数型の変数を使用する場合、その扱える範囲内の加減算でも桁落ち誤差が発生する。
イ どのようなソフトウェアを利用しても、金額に関する計算では浮動小数点演算の仕組みを利用しないので計算誤差は生じない。
ウ 表計算ソフトの演算処理では、丸め誤差が発生する。
エ リレーショナルデータベースの処理ではデータの格納および格納されたデータの検索だけを行うので計算誤差は生じない。

解説

ソフトウェア利用時の計算誤差に関する問題です。

それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アの「桁落ち」とは、値がほぼ等しく丸め誤差を持つ数値の差を求めた時に、有効数字(位取りを示すだけのゼロを除いた意味のある数字)が大きく減ることによって生じる誤差のことです。例えば、1.23456×105 – 1.23455×105 = 0.00001×105 という計算を行った場合に自動的に小数点位置が調整されて = 1.00000×100 のように有効桁数が減ってしまうことを言います。しかし、桁落ちが発生するのは小数点を含む数値同士の計算時であり、整数型では発生しません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イの金額計算には「整数型」が用いられますが、「整数型」においても「桁あふれ」による計算誤差は発生する可能性があります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウの表計算ソフトにおいても、丸め誤差は発生する可能性があります。丸め誤差とは、長い桁や無限桁の小数を扱う際に、これを有限桁で表すためにある桁以降の値を捨ててしまうことにより生じる誤差のことです。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エのリレーショナルデーターベースにおいては、データの格納と格納されたデータの検索だけではなく、演算処理も行う場合もありますので計算誤差が発生する可能性があります。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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