【過去問解説(法務)】H28 第10問 産業財産権(商標権)

今回は、H28年経営法務の第10問の商標権の問題について解説します。

H28 第10問

甲が商標Aについて商標登録出願を行ったところ、他人乙の先願先登録商標Bが、商標Aに類似する商標として引用され、拒絶理由通知が発せられた。この場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 商標Aと商標Bの類否は、それぞれの商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決せられる。
イ 商標Aと商標Bの類否は、まず、それぞれの商標の要部を抽出し、その後、商標Aと商標Bの要部のみを対比することにより、判断しなければならない。
ウ 商標Aの登録を乙が承諾している旨を示す証拠が提出された場合、乙の利益が害されることはないため、審査官は当該証拠を資料として参酌して登録する義務がある。
エ 商標Aは立体商標であり、その指定商品は有体物である。一方、商標Bは平面商標であり、その指定役務は、無体物である。この場合、商標Aと商標Bとは互いに類似とされることはないため、甲は意見書を提出して審査官の判断を覆すべきである。

 

今回は商標権に関する問題です。
若干マニアックなことを聞いている部分もありますが、文章から判断できる部分もあるため、文章をよく読みながら考えていきましょう。

選択肢アは特に問題のある記載はなさそうですので、〇と考えられます。
商標は出所について誤認混同が生じる恐れがあるかどうかという観点でチェックされます。

ちなみに、誤認混同が生じる恐れがあるかどうかは

  • 外観(見た目)
  • 称呼(読んだときの音)
  • 観念(商標からイメージされるされる考え)

の3つの要素から総合的にチェックします。

念のため残りの選択肢も見ていきましょう。

選択肢イは、実際の判断基準を知らなくても、「商標Aと商標Bの要部のみを対比することにより、判断しなければならない」という記述を見て「要部だけで決めちゃっていいのかな?」と疑問を持つのではないでしょうか。

実際、判断に当たっては要部だけでなく、選択肢アのところでも説明したように外観、称呼、観念の3つの要素から総合的にチェックします。
ですので選択肢イは×とすることができます。

選択肢ウは、「当該証拠を資料として参酌して登録する義務がある」と、かなり強い表現を使っています。このような強い表現はまず怪しいと考えましょう。また、そのような制度があるか知らない時は極端な場合で考えてみると、〇×の判断の参考となります。

今回の場合ですと、「「乙の利益が害されることはない」って断言されているけど、了承を取った後に何かやらかして害されてしまう可能性もあるのに断言していいんだろうか?」とか、「実際は承諾していないのに承諾しているという偽の証拠を作ってきたらどうやってチェックするのだろうか?そんな制度があったら、悪用して変なことをやったというニュースもあるだろうけど、聞いたことないな」といった形で考えを巡らしてみると〇ではないだろう、と判断できるかと思います。

ちなみに、実際に商標の登録について相手方が許可しているからといって、その証拠を資料として参酌する(参考にする、という意味)ことはありません。

選択肢エは、立体商標をある角度から見たときに、それが平面商標と類似していると判断されたときは登録することができないため×です。

以上から正解は選択肢アとなります。

 

 

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