【過去問解説(経済学・経済政策)】R4 第5問 乗数理論

今日は、経済学・経済政策のR4第5問 について解説します。

 経済学・経済政策 R4 第5問

生産物市場の均衡条件が、次のように表されるとする。

生産物市場の均衡条件 Y = C + I + G
消費関数 C = 10 + 0.8 Y
投資支出 I = 30
政府支出 G = 60

ただし、Y は所得、C は消費支出、I は投資支出、G は政府支出である。

いま、貯蓄意欲が高まって、消費関数が C = 10 + 0.75 Y になったとする。このときの政府支出乗数の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は 4 のままであり、変化しない。
イ 貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は 5 のままであり、変化しない。
ウ 貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は 4 から 5 へと上昇する。
エ 貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は 5 から 4 へと低下する。

解説

乗数理論に関する問題です。
乗数理論については、まとめシートで以下の通り解説しています。

 

また、上記の算式で使用されているcについては、以下の通り解説しています。

 

本問で与えられている消費関数では、租税Tは考慮されていません。また、cYとC0の順番が逆になっています(C=C0+cY)。
つまり、変化前の「C=10+0.8Y」のうち、「10」が独立消費で、「0.8」が限界消費性向です。

このことがわかれば、変化前と変化後の政府支出乗数をそれぞれ導くことができます。

それでは計算してみましょう。

変化前:c=0.8
1/(1ー0.8)=5

変化後:c=0.75
1/(1-0.75)=4

したがって、政府支出乗数は、貯蓄意欲の高まりによって5から4に低下しました。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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