【過去問解説(経済学)】H27 第10問 マンデル・フレミングモデル

今回はH27年第10問の問題について解説します。

H27 経済学 第10問

今日、経済政策の効果は、開放経済の枠組みで考える必要がある。
下図は、開放経済におけるマクロ経済モデルを描いたものである。小国開放経済、不完全資本移動、変動相場制度、物価硬直性、期待外国為替相場一定を仮定する。図中のBP曲線は、国際収支を均衡させる、GDPと利子率との組み合わせを表したものである。
貨幣量の拡大に伴う効果に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]
ア 貨幣量の拡大は LM 曲線を下方にシフトさせ、純輸出を増加させるものの、
民間投資支出の減少を通じてGDPを減少させる。
イ 貨幣量の拡大は LM 曲線を下方にシフトさせ、GDP を増加させるものの、
クラウディングアウトを発生させる。
ウ 貨幣量の拡大は自国金利が相対的に低下することで内外金利差を生み出し、自国通貨を減価させる。
エ 貨幣量の拡大は自国通貨を増価させ、純輸出を減少させる。

解説

BP曲線がナナメの場合のマンデル・フレミングモデルについての問題です。

初見でこの問題を解く場合、BP曲線がナナメになっているので、びっくりするかもしれませんが、水平の場合の考え方と同様に考えれば、正解を導くことができます。

BP曲線が水平の場合、貨幣量が拡大すると、LM曲線は右(=下)にシフトします。
そして、均衡国民所得が増加するとともに、利子率は低下します。
利子率が低下すると、高い利子率を求めて資金が流出します。
資金流出に伴い自国通貨が売られるため、自国通貨安にになります。
自国通貨安になると輸出が増え、輸入が減りますのでIS曲線が右にシフトし、均衡国民所得が増加します。
そのため、均衡国民所得が増加します。

これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、「GDPを減少させる」という結論がおかしいですので×です。

選択肢イは、「クラウディングアウトを発生させる」という部分がおかしいので×です。

選択肢ウは、その通りで、自国通貨を減価させる、つまり自国通貨安になります。

選択肢エは、「自国通貨を増価させ、純輸出を減少させる」というところが誤りです。

以上から正解は選択肢ウとなります。

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