【過去問解説(経済学)】R3 第5問 (1) 乗数理論

今日は、経済学のR3 第5問 設問1について解説します。

経済学 R3 第5問 設問1

生産物市場の均衡条件は、総需要=総供給である。総需要 AD と総供給 AS が以下のように表されるとき、下記の設問に答えよ。
AD = C + I + G
C = C0 + c(Y – T)
AS = Y
ここで、C は消費、I は投資、G は政府支出、C0 は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c< 1 )、Y は所得、T は租税である。

(設問 1 )
乗数に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 均衡予算乗数は、 1/(1-c) である。
b 政府支出乗数は、 1/(1-c) である。
c 租税乗数は、 1/(1-c) である。
d 投資乗数は、1/(1-c) である。

〔解答群〕
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd

解説

乗数理論に関する問題です。

まとめシートでは以下の通りまとめています。

均衡国⺠所得Y*は投資I、政府⽀出G、租税T、限界消費性向c、独⽴消費C0の関数として表せます。
乗数理論とは、これらの変化が国⺠所得にどのような変化を及ぼすのかを説明する理論です。
そして、投資、政府⽀出、租税を変化させたとき、均衡国⺠所得が何倍になるか、ということを⽰すのが、投資乗数、政府⽀出乗数、租税乗数といった乗数です。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢a:誤りです。均衡予算乗数とは、予算を均衡させながら政府⽀出⊿G(歳出)と租税⊿T(歳⼊)を同額にしたときのGDPへの影響を表す乗数のことです。同額ということは、均衡予算乗数は1となります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢b:その通りです。政府支出乗数とは、政府⽀出Gを⊿Gだけ増加させたときにどれだけY*が増えるかを表し、 1/(1-c) となります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢c:誤りです。租税乗数とは、租税Tを⊿Tだけ増加させたときにどれだけY*が増えるかを表し、租税乗数=−c/(1−c)となります。
租税が増えると、その分消費に充てられるお⾦が減りますので、租税乗数はマイナスとなります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢d:その通りです。投資乗数は、投資Iを⊿Iだけ増加させたときにどれだけY*が増えるかを表し、投資乗数=1/(1−c)となります。ここで(1−c)は限界貯蓄性向といい、Y*が1増えたとき、どれだけが貯蓄に回るのかということを表しています。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、bとdが〇ですので、正解は選択肢エとなります。

設問2の解説は明日公開予定です!

 

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