【過去問解説(経済学)】R3 第9問 乗数理論

今日は、経済学 R3 第9問について解説します。

 経済学 R3 第9問

生産物市場における輸出入の変化が GDP や貿易収支に与える影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 輸出と輸入が同規模で増加するとき、外国貿易乗数は 1 になる。
イ 輸出の増加は、輸出の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を改善させる。
ウ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ自国の GDPを減少させる。
エ 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を悪化させる。

解説

乗数理論に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。外国貿易乗数は、輸出を1単位増加させたときにどれだけ均衡国⺠所得(Y*)が増えるかを表す乗数です。、限界消費性向をc、比例税率をt、限界輸入性向をmとすると、外国貿易乗数=1/(1−c)(1-t)+m
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。輸出の増加分⊿Xに外国貿易乗数をかけた場合の式は 1 / {(1−c)(1-t)+}⊿Xで、国民所得は⊿Y増加します。
式で表すと ⊿Y=1 / {(1−c)(1-t)+}⊿Xとなります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。輸入量⊿Mに外国貿易乗数をかけた場合の式は 1 / {(1−c)(1-t)+}⊿Mで、国民所得は⊿Y減少します。
式で表すと ⊿Y=-1 / {(1−c)(1-t)+}⊿Mとなります。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。選択肢ウで解説の通り輸入が増加すると、輸入の増加分Mに外国貿易乗数を乗じた大きさ分の国民所得が減少します。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

 

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