【過去問解説(財務・会計)】H27 第15問(2) 現在価値

今日は、財務・会計のH27 第15問 設問2について解説します。

財務・会計 H27 第15問 設問2

C 社は、取引先に対して貸付けを行っている。当該貸付金は、以下のようなキャッシュフローをもたらす予定である。現在価値の計算について、下記の設問に答えよ。なお、現行の会計基準との整合性を考慮する必要はない。
① 元本は100万円、貸付日は20X1年4月1日、貸付期間は4年である。
② 利息として、20X2年から20X5年までの毎年3月 31 日に6万円が支払われる。
③ 満期日の20X5年3月31日には元本の100万円が返済される。

設問2
貸付けを行っている取引先の財政状態が悪化し、元本の一部が回収不能となる可能性が高まっていることが確認された。このとき、現在価値の計算は設問1(割引率6%の場合)と比べてどのように変化するか、最も適切なものを選べ。

ア 割引率が高くなるため、現在価値は大きくなる。
イ 割引率が高くなるため、現在価値は小さくなる。
ウ 割引率が低くなるため、現在価値は大きくなる。
エ 割引率が低くなるため、現在価値は小さくなる。

※下線部は追記

解説

現在価値に関する問題です。
貨幣の時間価値について、まとめシートでは以下の通りまとめています。

企業が市場からお金を調達する場合は、株式や社債を用います。
株式には配当が、社債には利子が必要となりますが、企業が市場から資金を調達するために必要となる金利に相当するコストは資
本コストといいます。逆に、投資家の側から見ると、企業が資金調達に投じるコストとは、投資家が得られるリターンを意味します。
投資家から見た、企業に資金を提供しても良いと考えるだけのリターンの大きさを期待収益率といい、期待収益率と資本コストは等しくなります。企業の意思決定会計では、割引率として、期待収益率や資本コストを使用します。

それでは選択肢を確認していきましょう。

割引率については、回収不能リスクが高まる=ハイリスクとなり、それに見合うリターンも高くなるということを意味します。
現在価値については、上記まとめシートの説明より、割引率が高いほど小さくなります。

よって、説明は「割引率が高くなるため、現在価値は小さくなる」が正しく
正解は選択肢イとなります。

設問1の解説はこちら

 

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