今日は運営管理のH25年第4問の問題について解説します。
H25 運営管理 第4問
VEに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 対象物の価値は、対象物の (コスト)/(機能) でとらえられる。
イ 対象物の機能を金額で評価するときは、その構成部品の合計購入金額が用いられる。
ウ 対象物の機能を整理するときに用いる機能体系図(機能系統図)は、機能を特性と要因に分け、相互の関係を階層化して示した図である。
エ 対象物の機能を定義するときは、名詞と動詞を用いて、「○○を○○する」のように記述する。
解説
VEに関する知識を問う問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アについて、VEでは価値(Value)は以下の式で表されます。
価値(Value)=機能(Function)/コスト(Cost)
この選択肢では分子と分母が逆になっているため×です。
このように、分数で定義されるものの分子と分母を入れ替えるというのは、とてもよくある誤りの選択肢のパターンです。
分数で定義されるものについて、選択肢で示されていたらまずは分子と分母が逆になっていないか疑ってみるくらいのつもりでいると良いでしょう。
選択肢イの「その構成部品の合計購入金額」というのは、VEの 価値(Value)=機能(Function)/コスト(Cost) の式の機能(Function)ではなくコスト(Cost)を評価するために用いられるものです。
よってこの選択肢は×です。
選択肢ウの機能体系図(機能系統図)とは、製品が顧客に提供する機能を最上位とし、その機能を目的→手段のような形で分解して表すものです。
例えば、ライターであれば、製品が顧客に提供する最上位の機能は「炎を出す」で、その目的を果たすための手段としては「ガスを放出する」「ガスに着火する」「(ガスを着火する手の)力を伝える」・・・といった形に分解できます。
そして、「炎を出す」という機能の手段であった「ガスを放出する」を目的と考えると、「ガスを放出する」はさらに「液化ガスを受け入れる」、「液化ガスを蓄える」・・・といった手段に分解できます。
機能体系図では、これらの関係を図にしていきます。
選択肢では「機能を特性と要因に分け」とありますが、特性と要因ではなく、目的と手段にわけるため、この選択肢は×です。
選択肢エはその通りで、機能を定義するときは、電線であれば「電流を伝える」、ねじであれば「部品を固定する」といったように、名詞と動詞の2語でシンプルに表します。
以上から正解は選択肢エとなります。
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