【過去問解説(企業経営理論)】R1 第14問 組織学習

今日は、企業経営理論のR1 第14問について解説します。

企業経営理論 R1 第14問

組織学習は、一般に低次学習と高次学習に分けて考えることができる。組織学習に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア D.マグレガーのいうY理論に基づく管理手法を採用すると、低次学習が促進されるため、組織の業績は悪化する可能性が高まる。
イ 新たに組織に参加した組織メンバーは、組織の周縁にいるために、社会化のプロセスを通じて積極的に高次学習をさせる必要がある。
ウ 高次学習とは組織の上位階層で行われている学習であり、低次学習とは組織の下位階層で行われている学習である。
エ 組織の行動とそれが環境に与える効果の因果関係が分かりにくい場合、迷信的学習といわれる低次学習が起こりやすい。
オ 低次学習とは組織の成果にとって悪い影響を与える学習であり、高次学習とはより高い成果をあげるために不可欠であるため、組織メンバーに高次学習を意識させることが重要である。

解説

組織学習に関する問題です。
組織学習について、まとめシートでは以下の通りまとめています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。マグレガーのXY 理論では、Y理論は性善説的なポジティブな部分とされ、自己実現を目指すY 理論の要素が強い人材は、自らが設定した目標に対してはそれを達成するために積極的に働くとされています。低次学習とXY理論には直接的な関係はありませんが、Y理論を採用した場合、低次ではなく高次学習が促進される可能性はあります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。新たに組織に参加した人は、まずは組織への慣れが必要となるため、社会化のプロセスを通じた学習を行いますが、その際に低次学習を元に行動します。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。高次学習や低次学習は階層で分けられるものではなく、学習のレベルに基づく分け方であり、どちらも組織のどの階層でも行われるものです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。上図の③から④の段階で起きるのが迷信的学習で、組織の行動とそれが環境に与える効果の因果関係がわかりにくい状態で、この状態が続くと低次学習が起こりやすくなります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:誤りです。低次学習はシングルループ学習とも呼ばれ、一定の価値観のもとでの行動を繰り返すことによって学習を強化する漸進的な学習ですが、組織の成果にとって悪い影響を与えるわけではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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