【過去問解説(企業経営理論)】R5 第21問 資源依存モデル

今日は、企業経営理論 R5 第21問について解説します。

 企業経営理論 R5 第21問

資源依存パースペクティブでは、組織がさまざまな資源をステークホルダー(利害関係者)に依存していることに注目している。
メーカーであるA社が、事業活動に必要な原料Xを、Xのみを製造販売しているB社から継続的に購買している場合に、両社間に生じうるパワー関係に関する記述として、資源依存パースペクティブの観点から、最も不適切なものはどれか。

ア A社がB社以外の他社から原料Xをどの程度購買しているかどうかが、両社間
のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
イ A社が保有している機械設備の資産評価額が、B社が保有する機械設備の資産評価額よりも相対的に大きいことが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
ウ B社の販売量全体におけるA社向けの販売量が占める比率が、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
エ 原料Xの販売についてのB社の自由裁量に関して法律などによる制約があるかどうかが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。
オ 原料Xを入手できなくてもさほど大きな問題が生じずにA社が事業活動を営むことができるかどうかが、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性がある。

解説

資源依存モデルに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

組織は程度の⼤⼩はあれ、経営資源を外部環境へ依存しています。依存度を決定する要因としては、資源が質的もしくは量的にその組織にとって重要であれば依存度が⾼くなるという資源の重要性、外部組織の持つ資源の配分⽅法を⾃組織がコントロールできなければ依存度が⾼くなるというコントロールの度合い、組織が必要な経営資源を1 つの外部組織からのみ供給されているのであれ
ばその外部組織に対する資源依存度は⾼くなるという、コントロールする必要がある経営資源の集中度、などの要因があります。

それでは選択肢をみていきましょう。
今回は、不適切な選択肢を選ぶ問題です。

選択肢ア:その通りです。原料の購買量というのは、経営資源の量的依存に係わるため、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性があるといえます。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。原料Xを取引しているという観点から見ると、両者の機械設備の資産評価額は、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性は低いといえます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。B社の販売量全体におけるA社向けの販売量が占める比率というのは、経営資源の量的依存に係わるため、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性があるといえます。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:その通りです。法律などによる制約があるかどうかは、経営資源の質的もしくは量的に依存に係わるため、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性があるといえます。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:その通りです。原料Xを入手できなくてもさほど大きな問題が生じずにA社が事業活動を営むことができるかどうかは、経営資源の量的依存に係わるため、両社間のパワー関係に大きな影響を与える可能性があるといえます。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、今回は、不適切な選択肢を選ぶ問題ですので
正解は選択肢イとなります。

 

 

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