今日は、企業経営理論のR6 第38問(設問2)について解説します。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
消費者市場の分析は、企業が適正な製品を、適正なタイミングや方法で、適正なターゲット顧客に販売するために不可欠である。企業は、消費者を取り巻く①社会文化的要因や②個人的要因を分析することによって、各消費者に適したマーケティングの実現を目指している。
(設問2)
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 過去の経験や知識、自己との関連性などに基づき膨大な商業的情報に対して選択的に注意を向けるという知覚機能は、無意識に働きかける情報に対しては働かない。そのため、サブリミナル広告は製品のブランド化に大きな影響を与える。
イ 消費者の関与水準とブランド間の知覚差異によって購買行動を分類したアサエルによると、バラエティ・シーキングが最も起こりやすいのは、関与が低く、ブランド間の知覚差異が大きい場合である。
ウ 消費者の購買意思決定に影響を与える記憶では、一時的に情報を保持する手続き的記憶と、情報の保持期間が長く、一生にわたり潜在的に保持されるエピソード記憶や意味記憶の役割が明らかにされている。
エ 製品が魅力的に見えたりそうでなかったりすることに、天気や店舗の雰囲気といった、製品とは無関連な原因から生じている感情が影響を及ぼすことがある。同化効果と呼ばれるこのような現象は、感情が生じている原因を消費者が正しく認識している場合には見られない。
解説
消費者の購買行動に関する問題です。
それでは、選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
人間の知覚機能は、サブリミナル広告のような無意識に働きかける情報に対しても働くことがあります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。
バラエティ・シーキングは、選択肢のような場合に、試し買いという形で発生します。このようにバラエティ・シーキングとは、さまざまなブランドを選ぶ行動を指しています。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:誤りです。
手続き的記憶も、エピソード記憶や意味記憶と同じく、長期記憶です。一時的に情報を保持するものではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。
天気や店舗の雰囲気といった、製品とは無関連な原因から生じている感情が影響を及ぼす効果のことを、文脈効果といいます。同化効果ではありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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