【過去問解説(経営法務)】R5 第6問(2) 組織再編

今日は、経営法務のR5 第6問 設問2について解説します。

 経営法務 R5 第6問 設問2

以下の会話は、X株式会社の代表取締役である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。
なお、本問における吸収合併の手続においては、X 株式会社を消滅会社とすることを念頭に置いている。


甲 氏:「このたび、X株式会社の事業の全部を譲渡することを考えており、譲渡先を探していたところ、取引先であるY株式会社から、X株式会社の事業の全部を譲り受けてもよいという話がありました。知人に聞いたところ、X株式会社の事業の全部をY株式会社に移管する方法としては、事業譲渡の他に吸収合併という方法もあるという話をしていました。取引先への商
品代金の支払債務について、事業譲渡と吸収合併によって違いはあるのでしょうか。」
あなた:「 A 。」
甲 氏:「なるほど。ありがとうございます。では、吸収合併と事業譲渡で、Y株式会社から受け取る対価に違いはあるのでしょうか。」
あなた:「 B 。」
甲 氏:「では、Y株式会社に吸収合併又は事業譲渡ですべての事業を移管した場合、X株式会社はどうなるのでしょうか。」
あなた:「 C 。」
甲 氏:「なかなか悩ましいですね。実は、Y株式会社の他に、私の知人である乙氏からX株式会社の事業の全部を承継してもよいという話も聞いています。
乙氏は会社を設立しておらず、個人で事業を行っているのですが、事業譲渡や吸収合併は、相手先が会社でなくてもすることができるのでしょうか。」
あなた:「 D 。」
甲 氏:「分かりました。今日のお話を踏まえ、スキームを検討します。また、ご相談させてください。」
あなた:「必要があれば、弁護士を紹介しますので、お気軽にご相談ください。」

(設問 2 )
 会話の中の空欄CとDに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

ア C:吸収合併、事業譲渡のいずれの場合も、X株式会社は当然に解散します
  D:吸収合併、事業譲渡のいずれの場合も、相手先は会社である必要があります
イ C:吸収合併、事業譲渡のいずれの場合も、X株式会社は当然に解散します
  D:吸収合併の場合は、相手先は会社である必要がありますが、事業譲渡の場合は相手先が会社である必要はありません
ウ C:吸収合併、事業譲渡のいずれの場合も、X株式会社は当然には解散しません
  D:吸収合併、事業譲渡のいずれの場合も、相手先は会社である必要があります
エ C:吸収合併の場合は、X株式会社は当然に解散しますが、事業譲渡の場合は当然には解散しません
  D:吸収合併の場合は、相手先は会社である必要がありますが、事業譲渡の場合は相手先が会社である必要はありません

解説

吸収合併と事業譲渡に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは空欄C、Dをみていきましょう。

:合併には、吸収合併と新設合併がありますが、いずれの場合にも組織再編により元の会社は消えてしまいます。
事業譲渡は、会社法上の組織再編には該当せず、ある事業を対象とした売買にあたるため、例えば⼀部譲渡などの場合には元の会社は解散せずに存続する場合もあります。

よって「吸収合併の場合は、X株式会社は当然に解散しますが、事業譲渡の場合は当然には解散しません」が入ります。

:吸収合併は、ある会社(A社)が他の会社(B社)とする合併で、合併で消滅する会社(B社)の全部の権利や義務を合併後に存続する会社(A社)に承継させるものです。
そのため、相手先は会社である必要があります。
一方事業譲渡は、事業譲渡は、会社法上の組織再編には該当せず、ある事業を対象とした売買にあたります。

そのため、譲渡先は会社に限定されません。

よって「吸収合併の場合は、相手先は会社である必要がありますが、事業譲渡の場合は相手先が会社である必要はありません」が入ります。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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