【過去問解説(経済学)】R4 第21問 逆選択

今日は、経済学 R4 第21問について解説します。

 経済学 R4 第21問

情報の非対称性がもたらす逆選択に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 自動車保険における免責事項には、保険の契約後に生じる逆選択を減らす効果が期待できる。
b 医療保険制度を任意保険ではなく強制保険にすることには、病気になるリスクの高い人のみが医療保険に加入するという逆選択を減らす効果が期待できる。
c 企業が新たに従業員を雇う際に、履歴書だけではなく、その応募者のことをよく知っている人からの推薦状を求めることには、見込み違いの従業員を雇ってしまうという逆選択を減らすことが期待できる。

〔解答群〕
ア a:正  b:正  c:誤
イ a:正  b:誤  c:正
ウ a:誤  b:正  c:正
エ a:誤  b:正  c:誤
オ a:誤  b:誤  c:正

解説

逆選択に関する問題です。
逆選択を含む情報の⾮対称性については、まとめシートで以下の通り解説しています。

逆選択とは、財の性質に関する情報に⾮対称性があり、当初望まれた良質な財が市場からなくなり、逆に良質でないものが市場に流通する現象のことをいいます。情報の⾮対称性とは、⼀⽅には情報があり他⽅には情報がない状態のことをいいます。

モラルハザードとは、契約後に情報の⾮対称性があることにより、契約後に仕事や注意を怠るようになる現象のことをいいます。

それでは選択肢をみていきましょう。

:誤りです。選択肢はモラルハザードに関する説明です。保険会社と被保険者の間で、保険会社が被保険者の⾏動を監視できないため、保険に入った安心感から事故が増える可能性がありますが、免責事項(保険対象にならないもの)を加えることでモラルハザードを減らす効果があります。
よって、この選択肢は×です。

:その通りです。通常、逆選択においては。保険の場合、不健康な⼈は保険を使う可能性が⾼いので保険に⼊ろうとしますが、それに合わせて保険料が上がると、健康な⼈は損だと思い保険に⼊らなくなり、その結果不健康な⼈ばかり保険に⼊るということになってしまいます。そのため、強制保険にすることでこのような逆選択を減らすことが期待できます。
よって、この選択肢は〇です。

:その通りです。逆選択は、実際に財を買ったり契約したりする前の情報の⾮対称性が原因で発⽣します。そのため、履歴書の情報だけで採用した場合に逆選択が起こり見込み違いの人を採用してしまう可能性がありますが、事前情報の非対称性を減らすことで逆選択を下げる効果が期待できます。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、a:誤  b:正  c:正 ですので

正解は選択肢ウとなります。

 

 

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