さて、今回の過去問解説はH28年第27問の仕入についての問題についてです。
H28 運営管理 第27問
小売店の商品仕入に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 委託仕入では、一定期間店頭で販売し、売れ残った商品だけ小売店が買い取る。
イ 委託仕入では、商品の販売価格は原則として小売店が自由に設定する。
ウ 委託仕入において、店頭在庫の所有権は小売店にある。
エ 消化仕入では、商品の販売時に小売店に所有権が移転する。
オ 消化仕入をすると、小売店の廃棄ロスが発生しやすい。
解説
選択肢ア～オでは委託仕入と消化仕入について問われています。
ここで、委託仕入と消化仕入について少し振り返りましょう。
委託仕入とは、卸が販売店に商品の販売を委託する方式です。商品の所有権は卸が持ったままで、売上も直接卸に入ります。販売店は売上に応じた手数料のみを受け取ります。
消化仕入とは、売上仕入れとも呼ばれ、卸は小売店に陳列する商品の所有権を持ったままで、小売店で売り上げると同時に、所有権が小売店に移り、仕入を計上するという方式で、百貨店でよく用いられる方式です。
これを踏まえて各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、委託仕入では商品を小売店が買い取ることはないですので×です。
選択肢イは、委託仕入の場合、商品の所有権は卸が持ったままなので、商品の販売価格も通常は卸が決定します。そのためこの選択肢も×です。
選択肢ウも、上記で説明した通り、商品の所有権は卸が持ったままなので×です。
選択肢エは、その通りで〇です。
選択肢オは、商品が売れるまでは所有権は卸にあるため、商品が売れ残ると小売店は卸に返品することができます。ですので、廃棄ロスは発生しにくく、この選択肢は×といえます。
以上から正解は選択肢エとなります。
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