【過去問解説(運営管理)】R1 第34問 物流関連用語

今日は運営管理のR1第34問について解説します。

R1 運営管理 第34問

輸送手段の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア RORO(roll-on roll-off)船は、貨物を積載したトラックやトレーラーなどの車両をそのまま船内へ積み込んで輸送することが可能である。
イ 鉄道輸送は、鉄道コンテナの大きさが平パレットの規格に合っていないので、一貫パレチゼーションを阻害する。
ウ トラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトは、トラックと鉄道の複合一貫輸送を阻害する。
エ トラック輸送の長所は、鉄道や船舶での輸送に比べて、輸送トンキロ当たり二酸化炭素排出量が少ないことである。
オ 路線便は、貨物を積み合わせて一車単位にまとまるときに利用するトラックの輸送サービスであり、発地から着地まで積み替えを行わずに直行輸送する。

解説

輸送手段に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

(解説)
選択肢アのRORO(roll-on roll-off)船とは、貨物を積載したトラックやトレーラーなどの車両ごと船に載せ(ロール・オン)、着地では車両が下船(ロール・オフ)してそのまま陸送します。コンテナ船に比べると早く、簡単、安全に荷役が出来ますが、車両ごと船に載せるため積載効率が悪くなります。よって、この選択肢は〇です。

選択肢イは「鉄道コンテナの大きさが平パレットの規格に合っていない」とあります。鉄道コンテナは、長さや高さが海上用コンテナよりもやや小さいですが、幅は変わりません(W:2,350mm)ので平パレットの規格(一貫輸送用平パレット:1100×1100×144mm)に合っていないことはありませんし、一貫パレチゼーションを阻害することもありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウの「トラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフト」は、地球温暖化ガス削減の手段として注目を集めています。「遠くまで一度に大量に運べる」、「時間通りに運べる」、「輸送単位当たりのCO2排出量がトラックの約11分の1」という鉄道輸送の特徴を活かし、トラックで全区間輸送していたところを途中の区間を鉄道に切り替えることで、コスト、交通渋滞、二酸化炭素排出量を抑えようとするものですし、トラックと鉄道の複合一貫輸送を推進するものです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エでは「トラック輸送は、輸送トンキロ当たり二酸化炭素排出量が少ない」とありますが、国土交通省の資料によると輸送量当たりの二酸化炭素排出量(貨物)は、
自家用貨物車:1,162
営業用貨物車:233
船舶:39
鉄道:22 (単位はg-CO2/トンkm)
とトラック輸送の二酸化炭素排出量が多くなっています。
よって、この選択肢は×です。

国土交通省ホームページ「運輸部門における二酸化炭素排出量」

選択肢オの路線便とは、1台のトラックに複数社の荷物を混載し、複数社の配送ルートと拠点を乗り継ぐ輸送方法です。割安な料金で利用できる反面、配送日数が余分にかかる、積み替えにより荷物が傷みやすい等のデメリットがあります。発地から着地まで積み替えを行なわずに直行輸送するのは、貸切便またはチャーター便となります。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

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