【過去問解説(運営管理)】R2 第34問 在庫管理

今日は運営管理のR2第34問について解説します。

R2 運営管理 第34問

 最寄品を主に取り扱う小売店舗における在庫管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある商品の最大在庫量を2倍にした場合、販売量を一定とすると、安全在庫量も2倍必要になる。
イ 前日の販売量を発注量として毎日発注する商品の販売量が減少した場合、当該商品の在庫量は減少する。
ウ 定期発注方式を採用した場合、販売量を一定とすると、1回当たりの発注量は発注間隔を短くするほど少なくなる。
エ 定量発注方式を採用した場合、適正な在庫量を表す理論在庫は安全在庫に一致する。
オ 定量発注方式を採用した場合、販売量の減少が続くときに発注点を変更しなければ、発注間隔は短くなる。

解説

在庫管理に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、「安全在庫量も2倍必要」とありますが、安全在庫とは需要変動や補充期間の不確実性を吸収するために必要な在庫のことであり、品切れの許容度合い、需要量の変動のばらつきの大きさ、調達リードタイムによって求められますので、販売量が一定であれば安全在庫量も変わりません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イは、「当該商品の在庫量は減少する」とありますが、例えば前日の販売量(= 発注量)がNで翌日に納品されたとして、当日の販売量が前日より3つ少ない(N - 3)だった場合、当日の在庫量はN -(N - 3)= 3増加することとなります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウは、定期発注方式とは一定期間ごとに需要量を予測して発注する方法であり、発注量 = 在庫調整期間の予想消費量 - 現在の在庫量 - 発注残 + 安全在庫、となります。発注間隔を短くすると、在庫調整期間の予想消費量が減りますので、発注量も少なくなります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エは、「適正な在庫量を表す理論在庫は安全在庫に一致」とありますが、定量発注方式とは在庫量が発注点として定めた在庫量を下回ったときにあらかじめ決めておいた量を発注する方式であり、適正な在庫量を表す理論在庫は、安全在庫にサイクル在庫(発注してから次の発注があるまでに消費される在庫量の半分)を加えた在庫となります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オは、「発注間隔は短くなる」とありますが、定量発注方式では在庫量が発注点として定めた在庫量を下回ったときに発注するため、販売量の減少が続いている場合は在庫量が発注点を下回るまでの期間が長くなり、発注間隔も長くなります。
よって、この選択肢は×です。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

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