【過去問解説(経営法務)】R7 第8問 英文契約書 #中小企業診断士試験

今日は、 経営法務 R7 第8問について解説します。

経営法務 R7 第8問

以下は、ある海外企業との販売基本契約書において規定された紛争解決に関する条項である。
この契約条項に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

Article XX (Governing Law and Dispute Resolution)
1. This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan, without reference to conflict of laws principle.
2. All disputes, controversies or differences arising out of or in connection with this Agreement shall be finally settled by arbitration in Tokyo, Japan inaccordance with the Commercial Arbitration Rules of the Japan Commercial Arbitration Association. The number of arbitrators shall be three. Each party shall be entitled to appoint one arbitrator. The two arbitrators appointed by the parties shall select the third arbitrator. The award of the arbitrators shall be final and binding upon the parties. The arbitration proceedings shall be conducted in English.

〔解答群〕

ア 仲裁手続は、中立的な第三者である 3 名の仲裁人によって当事者の話し合いを仲介することで紛争の解決を目指す手続きであり、当事者に紛争の解決に関する合意が成立しない場合には不成立となる。
イ 仲裁判断は、当事者を法的に拘束するが、判断内容に不服がある場合には原則として裁判所に不服の申立てをすることができる。
ウ 仲裁手続は、日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従って、 3 名の仲裁人によって、英語で行われる。
エ 仲裁手続は、日本の東京で行われるため、国際商業会議所の商事仲裁規則に従って、契約条項の定めにかかわらず、日本語で行われ、準拠法は日本法となる。

解説

英文契約書に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

英文契約書に関する問題は例年1 ~ 2問出題されます。元々ある程度英語ができる方は、英文契約書によく出る上記の単語を覚えることで、少ない労力で得点が期待できます。
しかし、中学生レベルすら危ういというような全く英語ができない方は、1 ~ 2問のために新たに英語を学習するのは非常に労力がかかりますので、他の論点にその時間を充てた方が高い効果が期待できます。そのため、この英文契約書問題に対応するかしないかについては、自分の英語力を勘案して費用対効果を踏まえ検討する必要があります。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:仲裁手続は、中立的な第三者である3名の仲裁人によって当事者の話し合いを仲介することで紛争の解決を目指す手続きであり、当事者に紛争の解決に関する合意が成立しない場合には不成立となる。
→ ❌ 誤りです。
選択肢の説明は「調停」の内容に近いものです。
本契約条項では、「The award of the arbitrators shall be final and binding upon the parties.(仲裁人の判断は最終的かつ当事者を拘束する)」と定められています。つまり、仲裁では当事者間で合意が成立しなくても、仲裁人が最終判断を下して紛争を解決します。
したがって、「合意が成立しない場合には不成立となる」という説明は誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:仲裁判断は、当事者を法的に拘束するが、判断内容に不服がある場合には原則として裁判所に不服の申立てをすることができる。
→ ❌ 誤りです。
契約条項には「The award of the arbitrators shall be final and binding upon the parties.」とあり、仲裁判断は最終的かつ拘束力を持つと定められています。仲裁判断に対しては、通常の裁判のような上訴は原則できません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:仲裁手続は、日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従って、3名の仲裁人によって、英語で行われる。
→ ✅ 正しいです。
条項には、「in accordance with the Commercial Arbitration Rules of the Japan Commercial Arbitration Association」とあり、日本商事仲裁協会(JCAA)の商事仲裁規則に従うことが示されています。
また、「The number of arbitrators shall be three.」→「仲裁人の人数は3名とする」
「The arbitration proceedings shall be conducted in English.」→「仲裁手続は英語で行うものとする」とも規定されています。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:仲裁手続は、日本の東京で行われるため、国際商業会議所の商事仲裁規則に従って、契約条項の定めにかかわらず、日本語で行われ、準拠法は日本法となる。
→ ❌ 誤りです。
条項では、日本商事仲裁協会(JCAA)の商事仲裁規則を適用すると定められています。
また、仲裁手続は「英語で行う」と明記されています。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

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