今日は、R7 経済学 第7問(設問2)について解説します。
下図は45度線図である。この図において、Y0は現実のGDP、YFは完全雇用GDPであり、総需要AD、総供給ASは、それぞれ以下のように表されるとする。
総供給 AS = Y
総需要 AD = C + I + G
消費関数 C = C0 + c(Y - T)
ただし、C は消費支出(消費関数)、I は投資支出、G は政府支出、C0 は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c < 1)、Y は GDP、T は租税である。

(設問2)
減税によって総需要線が AD0 から AD1 にシフトしたとする。この減税の効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 減税による総需要の増加分は、KL である。
b 減税による GDP の増加分は、JL である。
c 減税の租税乗数は、 JL/JK である。
〔解答群〕
ア a:正 b:正 c:正
イ a:正 b:正 c:誤
ウ a:正 b:誤 c:誤
エ a:誤 b:正 c:正
オ a:誤 b:正 c:誤
45度線分析では、縦の差はその時点の総需要の増加分、横の差はGDPの増加分として読み取るのがポイントです。
それでは、選択肢を見ていきましょう
→ ❌ 誤りです。
減税によって総需要線は AD0 から AD1 へ上方シフトしています。
このとき、同じ GDP 水準 YF で見た総需要の増加分は、図の縦の差である JK です。
一方、KL は Y0 に対応する水準と K の差であり、減税による総需要線のシフト幅そのものを表していません。
よって、この選択肢は×です。
→ ✅ 正しいです。
減税により均衡は F から E に移り、GDP は Y0 から YF に増加しています。
したがって、GDP の増加分は本来 Y0YF という横の長さです。
ここで、AS は45度線なので、45度線上では 横の増加分と縦の増加分が等しくなります。
そのため、Y0YF = FH = JL となり、GDP の増加分を JL で表すことになります。
よって、この選択肢は〇です。
→ ❌ 誤りです。
租税乗数は、GDPの増加分 ÷ 減税額で求めます。
このうち分子として JL を GDP の増加分とみるのは適切ですが、分母の JK は減税額そのものではなく、減税によって生じた総需要の増加分です。
また、JL も JK も「増加分」であるため、どちらもプラスの値になります。したがって、JL /JK はプラスの値(正)になります。
しかし、租税乗数は「GDPの増加分 ÷ 租税の変化(減税)」で求めるため、プラス ÷ マイナスとなり、通常はマイナスの値になります。このように、符号の面から見ても JL/JK を租税乗数とするのは不適切です。
よって、この選択肢は×です。
正解は選択肢オとなります。
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