【過去問解説(経済学・経済政策)】R8 第8問 貨幣理論 #中小企業診断士試験

今日は、 経済学・経済政策 R8年度 第8問について解説します。

経済学・経済政策 R8年度 第8問

 貨幣理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 買いオペレーションは、市中銀行が保有する日本銀行当座預金の残高を増やすが、マネタリーベースを減らす。
イ 貨幣乗数は、常に1より大きい。
ウ マネーストック統計における通貨保有主体のうち、最も保有割合の大きいのは中央政府である。
エ 預金よりも現金で通貨を保有する傾向が高まると、貨幣乗数は大きくなり、マネタリーベースの増加に伴うマネーストックの増加の程度も大きくなる。

解説

貨幣理論に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:買いオペレーションは、市中銀行が保有する日本銀行当座預金の残高を増やすが、マネタリーベースを減らす。
→ ❌ 誤りです。
公開市場操作は、中央銀行が債券を売買してマネタリーベースの量をコントロールする方法です。買いオペレーションで中央銀行が国債などを買い取ると、その代金が市中銀行が保有する日本銀行当座預金に入金されて当座預金の残高が増えるため、マネタリーベースが増加します。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:貨幣乗数は、常に1より大きい。
→ ✅ 正しいです。
貨幣乗数は、(c+1)/(c+r)で表すことができます。rは法定準備率であり、1より小さい数字です。したがって、常に分子が分母よりも大きくなるため、貨幣乗数は常に1より大きいといえます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:マネーストック統計における通貨保有主体のうち、最も保有割合の大きいのは中央政府である。
→ ❌ 誤りです。
マネーストック統計における通貨保有主体に、中央政府は含まれていません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:預金よりも現金で通貨を保有する傾向が高まると、貨幣乗数は大きくなり、マネタリーベースの増加に伴うマネーストックの増加の程度も大きくなる。
→ ❌ 誤りです。
信用創造では、一般企業や国民が融資を受けたお金の一部を別の銀行に預金し、別の銀行がそれを元に融資を行う、という連鎖を重ねることで、預金が元の預金の何倍にも増えていきます。したがって、預金よりも現金で通貨を保有すると、この連鎖が小さくなるため、貨幣乗数は小さくなり、マネタリーベースの増加に伴うマネーストックの増加の程度も小さくなります。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。

 

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