【過去問解説(企業経営理論)】R1 第33問(1) サービス財

今日は、 企業経営理論 の R1 第33問(1)について解説します。

 企業経営理論 R1 第33問(1) 

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
サービス財には、無形性、品質の変動性、不可分性、消滅性、需要の変動性といった特徴がある。サービス組織やサービス提供者は、これらの特徴を踏まえた対応が求められる。

(設問 1 )
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 「品質の変動性」の対応として、企業には慎重な従業員採用や教育の徹底が求められる。しかしながら、それに代わる機械の導入はサービスの均一化につながり、必然的に顧客の知覚品質は低下する。
イ 「不可分性」といった特性により、サービス財の流通において、中間業者を活用することができない。そのため、サービス業のチャネルは、有形財と比較して、短く単純なものになる。
ウ 情報管理システムや AI 技術を用いることで、需要に応じてフレキシブルに価格を変動させることが容易になった。「消滅性」「需要の変動性」の対応策として、サービス業者は、これらの仕組みを用いて思い切った値引きを行うべきである。
エ 美容室のように人が顧客に提供するサービスは、「無形性」「不可分性」を有するため、在庫を持つことや生産場所から他の場所に移動させることが困難である。

解説

サービス財に関する問題です。
サービスの特性とその対応について、まとめシートでは以下の通りまとめています。

サービス マーケティング

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。品質の変動性(非均一性)とは、例えば、美容院では、同じ料金でも腕の良い美容師と悪い美容師がいるというように、サービスの提供されるタイミングや提供者によって、サービスの品質が変動するという性質です。非均一性に対しては、選択肢のようにマニュアルの整備や教育の徹底によりサービスの質を一定に保つ(この点は正しい)ことや、人の手に頼らなくても良い部分を機械化するといった対策を取ることも有効です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。不可分性(同時性)とは、サービスの生産と消費は同時になされ、切りはなすことができないという性質です。しかしながら、例えばコンサートの場合、映像や音声を記録して販売するといった対応も取れますし、その際に中間業者を活用することもあります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:非貯蔵性(消滅性)とは、サービスは貯蔵ができず、在庫が持てないという性質です。また、需要の変動性とは、サービスの需要量は季節、月、週、一日の時間帯などで異なるという性質です。
非貯蔵性と需要の変動性への対策にAIや予約システムの導入のような需要管理を行った場合、従来より細かく需給管理や値付けが出来るため、必ずしも思い切った値引きを行う必要はありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。美容室のように人が提供するサービスは「無形性」「不可分性」を有します。
無形性(非有形性)とは、文字通り、形がないという性質です。そのため、消費者はサービスを購入する前にそれがどのようなものかを確認するのが困難とされています。不可分性(同時性)とは、サービスの生産と消費は同時になされ、切りはなすことができないという性質です。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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