【過去問解説(企業経営理論)】H25 第25問 市場占有率、消費者の購買行動

今日は企業経営理論H25第25問について解説します。

 

H25 第25問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
消費者の購買意思決定プロセスにおいては、特定の情報発信型消費者が他の消費者に対して強い影響力を持つことがある。このように情報源としてとくに重視される人々は[ A ]集団と呼ばれる。この種の集団には憧れや分離の対象といった
個々の消費者が直接的な接点を持たない対象だけでなく、学校や職場、サークルなどのように実際に消費者自身が所属している集団も含まれる。
ロジャースによる普及理論は、[ B ]が特定の製品を採用することが新製品普及の最初のステップであるとしている。ハイテク技術を観察対象としたムーアの研究では、この次の段階にくる初期多数派への普及がいかに速やかに行われるかが製品普及の分かれ道であるという結論が導かれている。この分かれ道は[ C ]と名付けられた。
これに対してオピニオンリーダー理論では特定の製品分野についての深い専門知識を持った人々が、新しい製品に関する情報を収集し、自ら編集したメッセージで情報発信することの重要性が示されている。
オピニオンリーダーとは対照的に製品カテゴリ横断的な幅広い知識を持ち、さらには知識を伝える方法も幅広く持っていることに特徴づけられる情報発信型消費者は[ D ]と呼ばれている。このタイプの消費者は、インターネット上のコミュ
ニティやソーシャルメディア上で情報を拡散させるコミュニケーション機能を果たす極めて現代的な情報発信者といえるだろう。
(設問1)
文中の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:参照 B:イノベーター C:キャズム D:リードユーザー
イ A:参照 B:インキュベーター C:ディバイド D:マーケットメーカー
ウ A:準拠 B:イノベーター C:キャズム D:マーケットメイブン
エ A:準拠 B:リードユーザー C:ディバイド D:マーケットメーカー
オ A:ミラー B:リードユーザー C:ディバイド D:マーケットメイブン

(設問2)
文中の下線部に示す「購買意思決定」についての消費者または企業の行動に関連する記述として、最も適切なものはどれか。
ア ある小売商が店頭で靴下の「よりどり3点 600 円」の販促を実施した。多くの消費者は売れ筋の商品だけでなく、単独の販売ランキング下位の商品も購買していた。これは、バラエティ・シーキング論の主張と一致する。
イ 個々の消費者による購買行動はその人物の文化的、社会的、個人的、心理的な特性の強い影響を受けるが、マーケターに与えられた役割はこれらの特性を変容させることである。
ウ 消費者がある製品に対して高い製品関与水準を持つとき、この消費者は自らが蓄積した豊かな製品知識を容易に参照できるため、購買意思決定プロセスは単純化する。これは精緻化見込みモデルによる見解である。
エ 生産財の購買は組織内の異なる部門や複数の階層から構成される購買センターを通じて行われるため、購買主体は十分な知識を持って迅速な意思決定を下すことができる。

解説

今回は2つの設問に渡る問題です。

設問1が消費者の購買行動と市場占有率、設問2が消費者の購買行動に関する問題です。

それでは早速各設問を見ていきましょう。

 

【設問1】
設問1は空欄穴埋め問題です。
各空欄を見ていきましょう。
空欄Aの情報源としてとくに重視される集団は準拠集団です。
準拠集団はいい方向(あの人たちのようになりたい)にも悪い方向(あの人たちと同じにはなりたくない)にも働きます。
選択肢を見ると、選択肢ウ、エが「準拠」とありますので、正解は選択肢ウまたはエに絞られます。

次に空欄B、Cを見てみましょう。
問題文によると
①空欄Bが製品を採用することが新製品普及の最初のステップである
②この次の段階は初期多数派である
③空欄Bから初期多数派への普及がいかに早く行われるかが製品普及の分かれ道である
④分かれ道の名前は空欄Cである
という情報が得られます。

②の初期多数派とはアーリーマジョリティーのことで、その前の段階とはイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期追随者)です。
そのため空欄Bにはイノベーターが入ります。
そして、イノベーターとアーリーアダプターの間にある溝のことをキャズムといい、このキャズムを超えられるかどうかが製品の普及への壁となります。
よって空欄Cにはキャズムが入ります。
以上から、設問1の正解は選択肢ウとなります。

【設問2】
設問2は最も適切なものを選ぶ問題です。

選択肢アは、その通りで、バラエティ・シーキングとは消費者の購買関与が低く、かつブランド間の知覚差異が大きい商品で生じる購買行動です。
例えば、お菓子のように、比較的低価格で消費者が明確なこだわりを持っているわけではなく、様々なブランドがバラエティに富んだ商品を販売している場合、「今日はこれにしてみようかな」という形で様々な商品を購入するという行動です。

選択肢イは、前半の記述は正しいですが、マーケターは特性を変容させることが役割という記述が誤りです。マーケターは特性を変容させるのではなく、それぞれの特性に受け入れられるようなマーケティングを行うことが役割です。

選択肢ウは、「消費者がある製品に対して高い製品関与水準を持つとき、・・・・購買意思決定プロセスは単純化する」とありますが、関与が高い製品ではっ購買意思決定プロセスは複雑になります。途中に余計な説明「この消費者は自らが蓄積した豊かな製品知識を容易に参照できるため」が入っていると何となくそれっぽい気がしてしまいますが、惑わされないよう例えば、文章のまとまりごとに/を引きながら文章を読むなどの対策をしましょう。

選択肢エも余計な説明を取り除いて考えると「おかしい」と気づくことができる選択肢です。
余計な説明を取り除き、
「生産財の(略)購買主体は(略)迅速な意思決定を下すことができる。」
だけ見ると、消費財は個人が「買う」と決めればすぐに意思決定が下されるのに対し、生産財の購買は意思決定のための社内承認プロセスを経る必要があるため、迅速な意思決定を下すことが難しいと考えることができます。
そのためこの選択肢は×と判断できます。

以上から設問2の正解は選択肢アとなります。

 

Amazonベストセラー1位獲得

一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一発合格まとめシート

好評発売中

—–

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


プロフィール

中小企業診断士一次試験テキスト「一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一次試験 一発合格まとめシート」著者によるブログです。
「まとめシート」の知識を使った過去問解説や、「まとめシート」に関する情報を発信していきます。

◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ