【過去問解説(情報システム)】H29 第9問 データベースの仕組み

今日は、情報システム H29 第9問について解説します。

情報システム H29 第9問

業務処理のためには、多くの場合、データベース(DB)が利用される。DB をネットワーク環境下で利用する場合、さまざまな端末からトランザクション処理要求を受け付けるため、多くの負荷が集中することもある。このような状態の中でのDB の効率的な運用や障害対策などのための仕組みが用意されている。
そのような仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア DB 運用中に表のデータ項目の追加・削除や新たな表追加が必要となり、DBの論理構造の再構築を行う場合は、SQL 文の REBUILD 命令において必要なパラメータを指示して実行する。
イ DB の更新処理を行う場合は、ロックと呼ばれる排他制御が行われる。このロックをかける範囲をロック粒度と呼び、ロック粒度が大きいと排他制御のための処理のオーバヘッドが大きくなる。
ウ DB の障害回復には、バックアップファイルを利用するロールフォワードとデータ更新状況を記録したものを利用するロールバックの仕組みがある。
エ クライアント端末から Web サーバを経由して DB サーバに対して更新作業を行う際、まず DB サーバに対して更新作業が可能かどうかを問い合わせることを2相のコミットメントと呼ぶ。

解説

DBの運用と障害対策に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。DBの論理構造の再構築を行う場合は、ALTERを実行します。REBUILDはインデックスの再編成を行う場合に使います。ただし、こちらの選択肢で問われている点は少し細かいので、分からなければ一旦パスでも大丈夫です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。ロック⽅式は、トランザクションを実⾏する際に、他の⼈に誤ってDBを変更されてしまわないようにロックをかける⽅法です。このロックをかける範囲が大きい場合、処理のオーバヘッドは小さくなります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。DBに障害が起こった際に回復させる処理としてロールバックとロールフォワードがあります。ロールバックはトランザクションエラーなどの軽い障害でプログラムが異常終了した際に⾏う処理で、障害が発⽣したときに作業中だった作業を、その処理を⾏う前の更新前ログデータを使って取り消して、異常が発⽣する前の状態に戻す⽅法です。
ロールフォワードはハードウェアの破損などの重い障害が発⽣した際に⾏う処理で、バックアップファイルにより、障害が起こる前の状態に戻してから、ログデータを使って、障害発⽣前に⾏われた作業の分を更新しながら進み、障害の発⽣直前の状態に戻す⽅法です。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。2相コミットメントとは、トランザクション処理の際に、確定させるor 元に戻す、のどちらも可能なセキュア状態を作り出すことで、片方に異常が起こった際にロールバックができるようにすることです。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

尚、本問は正解以外の選択肢が細かく初見のキーワードも多いので、本試験では正解の選択肢を一発で選び他の選択肢に惑わされない方法が有効です。

 

 

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