【過去問解説(経済学)】H29 第20問 比較優位

今回はH29年第20問の比較優位に関する問題について解説します。

H29 経済学 第20問

下表に基づき、国際分業と比較優位について考える。製品P1個を生産するのに、A国では5人の労働が必要であり、B国では30人の労働が必要である。また、製品Q1個を生産するのに、A国では5人の労働が必要であり、B国では60人の労働が必要である。
このような状況に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


[解答群]
ア A国では、製品Qの労働生産性が相対的に高いので、製品Qの相対価格が高くなる。
イ A国は製品Qに絶対優位があり、B国は製品Pに絶対優位がある。
ウ B国は、A国に比べて、製品Pについては1/6 、製品Qについては1/12の生産性なので、製品Qに比較優位を持つ。
エ 1人当たりで生産できる個数を同じ価値とすると、A国では、製品P1個と製品Q1個を交換でき、B国では製品P2個と製品Q1個を交換することができる。

解説

それでは早速考えていきましょう。

比較優位を判断するために、まずは、A国、B国それぞれについて製品Pを1作る労働力で製品Qがどれだけできるかを確認します。

すると、下の図のようになります。
この図から、製品Pを1個作る労働力でA国は製品Qを1個、B国は製品Qを1/2作れるということなので、A国は製品Qに比較優位があり、B国は製品Pに比較優位があるといえます。

これを踏まえて選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、前半の「A国では、製品Qの労働生産性が相対的に高い」まではその通りですが、後半の「製品Qの相対価格が高くなる」というのが間違えで、比較優位のある製品の相対価格は高くならず、安くなります。

選択肢イは、絶対優位であれば製品P、QどちらもA国の方に絶対優位がありますので×です。

選択肢ウは、B国は製品Pに比較優位を持つため×です。

選択肢エはその通りで、B国で製品Qを作るには60人が必要で、60人いれば製品Pは2個できるため〇です。

以上から正解は選択肢エとなります。

 

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