今日は、経済学 R5(再試)第8問について解説します。
経済学 R5(再試)第8問
貨幣理論および金融政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア ケインズの貨幣需要理論では、利子率の上昇と所得の増加に応じて貨幣需要が増加することになる。
イ 現金・預金比率が上昇すると、貨幣乗数(信用乗数)は低下する。
ウ 古典派の貨幣数量説では、名目貨幣供給が増加すると、物価もそれと同率で上昇し、名目 GDP が一定に維持されるという「貨幣の中立性」が成立する。
エ 裁量よりルールを重視するマネタリストは、名目貨幣供給の増加率と物価上昇率をほぼ同じにすることで経済は安定するという k % ルールを提唱する。
オ 中央銀行が売りオペを行うと、市中銀行が中央銀行に保有する当座預金の残高が増加して、ベースマネーの増加につながる。
解説
貨幣理論と金融政策に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:ケインズの貨幣需要理論では、利子率の上昇と所得の増加に応じて貨幣需要が増加することになる。
→ ❌ 誤りです。
ケインズの貨幣需要は、
「所得が増加すると取引に必要なお金が増えるため貨幣需要は増加する」
「利子率が上昇すると債券などで運用した方が有利になるため貨幣需要は減少する」
という関係です。
利子率が上昇すると、債券などの利回りが高くなるため貨幣を持つ魅力が低下し、貨幣需要は減少します。つまり、利子率の上昇は貨幣需要を増加させるのではなく減少させます。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
ケインズの貨幣需要は、
「所得が増加すると取引に必要なお金が増えるため貨幣需要は増加する」
「利子率が上昇すると債券などで運用した方が有利になるため貨幣需要は減少する」
という関係です。
利子率が上昇すると、債券などの利回りが高くなるため貨幣を持つ魅力が低下し、貨幣需要は減少します。つまり、利子率の上昇は貨幣需要を増加させるのではなく減少させます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:現金・預金比率が上昇すると、貨幣乗数(信用乗数)は低下する。
→ ✅ 正しいです。
現金・預金比率が上昇するとは、人々が預金よりも現金を多く保有することを意味します。すると銀行に預けられる資金が減少し、貸出による信用創造が縮小します。その結果、貨幣乗数は低下します。
よって、この選択肢は〇です。
→ ✅ 正しいです。
現金・預金比率が上昇するとは、人々が預金よりも現金を多く保有することを意味します。すると銀行に預けられる資金が減少し、貸出による信用創造が縮小します。その結果、貨幣乗数は低下します。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:古典派の貨幣数量説では、名目貨幣供給が増加すると、物価もそれと同率で上昇し、名目 GDP が一定に維持されるという「貨幣の中立性」が成立する。
→ ❌ 誤りです。
貨幣の中立性とは、貨幣供給の変化が実質変数には影響せず、物価など名目変数のみに影響するという考え方です。このとき、物価は上昇しますが、名目GDPは一定ではなく増加します。つまり、名目GDPは一定に維持されるのではなく増加します。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
貨幣の中立性とは、貨幣供給の変化が実質変数には影響せず、物価など名目変数のみに影響するという考え方です。このとき、物価は上昇しますが、名目GDPは一定ではなく増加します。つまり、名目GDPは一定に維持されるのではなく増加します。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:裁量よりルールを重視するマネタリストは、名目貨幣供給の増加率と物価上昇率をほぼ同じにすることで経済は安定するという k % ルールを提唱する。
→ ❌ 誤りです。
k%ルールは、貨幣供給を景気に応じて変動させるのではなく、一定の成長率で安定的に増加させるべきとするルールです。物価上昇率と一致させることを目的とするものではありません。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
k%ルールは、貨幣供給を景気に応じて変動させるのではなく、一定の成長率で安定的に増加させるべきとするルールです。物価上昇率と一致させることを目的とするものではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:中央銀行が売りオペを行うと、市中銀行が中央銀行に保有する当座預金の残高が増加して、ベースマネーの増加につながる。
→ ❌ 誤りです。
売りオペは中央銀行が国債などを売却し、市中から資金を吸収する操作です。その結果、市中銀行の当座預金は減少し、ベースマネーも減少します。つまり、当座預金残高は減少し、ベースマネーも減少すします。
よって、この選択肢は×です。
→ ❌ 誤りです。
売りオペは中央銀行が国債などを売却し、市中から資金を吸収する操作です。その結果、市中銀行の当座預金は減少し、ベースマネーも減少します。つまり、当座預金残高は減少し、ベースマネーも減少すします。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。
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