【過去問解説(企業経営理論)】R6 第9問 イノベーションのモデル #中小企業診断士試験

今日は、企業経営理論 R6 第9問について解説します。

企業経営理論 R6 第9問

W. アバナシーと J. アッターバックによって提唱された産業発展の段階とイノベーションのモデル(A-U モデル)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア ある製品について、使用状況、仕様、評価基準が顧客の間で共有されるようになると、ドミナントデザインが定まってくる。
イ 生産者の評価基準は、工程イノベーションが主流になると、コストから製品の新規性に移っていく。
ウ 製品そのものや、それを背後で支える各種の要素技術の進歩をもたらす製品イノベーションは、ドミナントデザインが生じた後により多く現れる。
エ ドミナントデザインが出現すると、機械的組織よりも有機的組織が、その産業において増えていく。
オ ドミナントデザインが出現すると、製品イノベーションも工程イノベーションも活発化する。

解説

イノベーションに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:ある製品について、使用状況、仕様、評価基準が顧客の間で共有されるようになると、ドミナントデザインが定まってくる。
→ ✅ 正しいです。
ドミナントデザインとは、顧客間で使用方法や評価基準が共通化された結果、事実上の標準デザインが確立した状態を指します。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:生産者の評価基準は、工程イノベーションが主流になると、コストから製品の新規性に移っていく。
→ ❌ 誤りです。
工程イノベーションが主流になる段階では、製品の基本的な形はすでに固まりつつあり、企業は新しさそのものよりも、いかに効率よく安く安定的に生産するかを重視するようになります。
そのため、生産者の評価基準は製品の新規性へ移るのではなく、むしろコスト、効率、生産性の向上へと比重が移っていきます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:製品そのものや、それを背後で支える各種の要素技術の進歩をもたらす製品イノベーションは、ドミナントデザインが生じた後により多く現れる。
→ ❌ 誤りです。
製品イノベーションが多く見られるのは、まだ業界内で製品の形や仕様が定まっていない初期段階です。この段階では、各社がさまざまな製品案を試しながら競争しているため、製品面での工夫や改良が活発になります。
その後、ドミナントデザインが成立すると、製品の大枠は共通化されていくため、製品そのものの革新は相対的に減り、代わって工程イノベーションが中心になります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:ドミナントデザインが出現すると、機械的組織よりも有機的組織が、その産業において増えていく。
→ ❌ 誤りです。
ドミナントデザインが確立されると、製品仕様や生産方法が標準化され、企業は効率的・安定的な大量生産を重視するようになります。このような状況では、柔軟性や創造性を重視する有機的組織よりも、ルールや手続きが明確な機械的組織の方が適合的です。
したがって、有機的組織が増えるのではなく、むしろ機械的組織が増える方向に進みます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:ドミナントデザインが出現すると、製品イノベーションも工程イノベーションも活発化する。
→ ❌ 誤りです。
ドミナントデザインが確立されると、製品の基本構造は共通化されるため、各社が製品の形そのものを大きく変える必要性は低下します。その結果、製品イノベーションは次第に減少していきます。
一方で、企業間の競争はコストや品質、効率の面に移るため、工程イノベーションはむしろ活発になります。両方が同時に活発化するわけではない点に注意が必要です。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢アとなります。

 

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