【過去問解説(経営法務)】R4 第17問(1)英文契約書

今日は、経営法務 R4 第17問 設問1について解説します。

 経営法務 R4 第17問 設問1

以下の会話は、X株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話に基づき下記の設問に答えよ。
甲 氏:「弊社は、Y社から商品を輸入し、国内で販売しようと考えています。それに当たって、Y社から届いた契約書案を検討しているのですが、以下の規定の中で、弊社にとって不利な箇所はありませんでしょうか。

9 .Seller warrants to Buyer that the Goods purchased by Buyerfrom Seller shall be free from defects in raw material and
workmanship.
Buyer shall indemnify and hold Seller harmless from and againstany and all liabilities, damages, claims, causes of action, losses, costs
and expenses (including attorneysʼ fees) of any kind, royalties and license fees arising from or for infringement of any patent by reason of any sale or use of the Goods.
10 .If Buyer terminates this Agreement and Seller has procured raw material for such releases occurring after the termination date in
accordance with Buyerʼs product releases, Buyer shall purchase such raw material from Seller at a price determined by Seller.」

あなた:「 9 条は、 [A] という点で、10 条は、御社が本契約を解除した一方で、売主が契約終了日以降の御社の製品発売に合わせて、原材料を調達していた場合に、 [B] という点で、それぞれ御社にとって、不利な条項となっています。」
甲 氏:「ありがとうございます。その点については、Y社と交渉しようと思います。また、Y社からは、日本での商品の小売価格につき、Y社が決めたものに従っていただきたいと言われています。」
あなた:「その点も含めて、知り合いの弁護士を紹介しますので、相談に行きませんか。」
甲 氏:「ぜひよろしくお願いします。」

(設問 1 )
会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

A:商品につき、売主が何らの保証もしない
B:売主が決めた価格で売主から当該原材料を購入する

A:商品につき、売主が何らの保証もしない
B:当該原材料がすべて消費できるまで、売主から製品を購入する

A:商品に特許侵害があった場合、御社が責任を負う
B:売主が決めた価格で売主から当該原材料を購入する

A:商品に特許侵害があった場合、御社が責任を負う
B:当該原材料がすべて消費できるまで、売主から製品を購入する

解説

英文契約書に関する問題です。
英⽂契約書に関する問題は例年1〜2問出題されます。戦略としては、元々ある程度英語ができる⽅は、英⽂契約書によく出る単語を覚えることで、少ない労⼒で得点が期待できます。
しかし、中学⽣レベルすら危ういというような全く英語ができない⽅は、1〜2問のために新たに英語を学習するのは⾮常に労⼒がかかりますので、他の論点にその時間を充てた⽅が⾼い効果が期待できます。そのため、この英⽂契約書問題に対応するかしないかについては、⾃分の英語⼒を勘案して費⽤対効果を踏まえ検討する必要があります。

それでは文章を確認します。

:9条の内容の2文目(Buyer shall~)では「 特許の侵害から生じる、あらゆる種類の費用(弁護士費用を含む)、使用料およびライセンス料は買い手が責任を負う」との記載があります。
よって、Aには「商品に特許侵害があった場合、御社が責任を負う」が入ります。

:問題文の社が本契約を解除した一方で、売主が契約終了日以降の御社の製品発売に合わせて、原材料を調達していた場合に、に対応する部分は「Buyer shall purchase such raw material from Seller at a price determined by Seller.」の部分となり、「売り手が決定した価格でそのような原材料を売り手から購入するものとします。」とのことです。
よって、Bには「売主が決めた価格で売主から当該原材料を購入する」が入ります。

以上から、A:商品に特許侵害があった場合、御社が責任を負う B:売主が決めた価格で売主から当該原材料を購入する
が入りますので、正解は選択肢ウとなります。

 

◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ

2023年度版 一発合格まとめシート
好評発売中!

関連教材で学習効率アップ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


プロフィール

中小企業診断士一次試験テキスト「一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一次試験 一発合格まとめシート」著者によるブログです。
「まとめシート」の知識を使った過去問解説や、「まとめシート」に関する情報を発信していきます。

◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ