【過去問解説(経済学・経済政策)】R8 第7問 IS-LM分析 #中小企業診断士試験

今日は、 経済学・経済政策 R8年度 第7問について解説します。

経済学・経済政策 R8年度 第7問

IS-LM分析におけるクラウディング・アウトに関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、ここでは縦軸に利子率、横軸にGDPをはかる平面を想定している。

ア 貨幣需要の所得弾力性が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになり、政府支出の増加によってGDPを拡大させる際に生じるクラウディング・アウトも小さくなる。
イ 貨幣需要の利子弾力性が無限大のとき、政府支出の増加は、クラウディング・アウトなしでGDPを増加させる。
ウ 限界消費性向が大きいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになり、貨幣供給の増加によってGDPを拡大させる際に生じるクラウディング・アウトは大きくなる。
エ 政府支出の増加は利子率の上昇によるクラウディング・アウトを伴うが、減税はクラウディング・アウトを生じさせない。

解説

IS-LM分析に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア:貨幣需要の所得弾力性が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになり、政府支出の増加によってGDPを拡大させる際に生じるクラウディング・アウトも小さくなる。
→ ❌ 誤りです。
貨幣需要の所得弾力性は、上記のLM曲線の式のkです。これは、LM曲線の傾きk/hの分子にあたります。kが大きくなるほどk/hも大きくなり、傾きはきつくなるので、傾きが緩くなるという記述は誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:貨幣需要の利子弾力性が無限大のとき、政府支出の増加は、クラウディング・アウトなしでGDPを増加させる。
→ ✅ 正しいです。
貨幣需要の利子弾力性は、上記のLM曲線の式のhです。貨幣需要の利子弾力性が無限大のとき、傾きは0になるので、LM曲線は水平になります。よって、政府支出が増加してもクラウディング・アウトは生じません。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:限界消費性向が大きいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになり、貨幣供給の増加によってGDPを拡大させる際に生じるクラウディング・アウトは大きくなる。
→ ❌ 誤りです。
クラウディング・アウトは、政府が財政政策を行ったときにIS曲線がシフトして生じるものです。貨幣供給の増加は金融政策であり、LM曲線に関わるものなので、クラウディング・アウトは関係がありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:政府支出の増加は利子率の上昇によるクラウディング・アウトを伴うが、減税はクラウディング・アウトを生じさせない。
→ ❌ 誤りです。
減税によってIS曲線が右にシフトするため、クラウディング・アウトを伴います。
よって、この選択肢は×です。
✅ 以上から、正解は選択肢イとなります。

 

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