今日は、経営法務 R4 第4問 について解説します。
株式会社と合同会社の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 株式会社及び合同会社のいずれも、会社成立後の出資に際して、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできない。
イ 株式会社においては法人は取締役となることはできないが、合同会社においては法人が業務執行社員になることができる。
ウ 株式会社の株主は 1 名でもよいが、合同会社の社員は 2 名以上でなければならない。
エ 株式会社の株主は有限責任であるが、合同会社の社員は無限責任である。
解説
株式会社と合同会社の比較にに関する問題です。
それぞれの特徴については、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。株式会社については、会社成立後の株式の発行に際して、株主となる者が当該株式会社に対して出資(払込みまたは給付)をした財産の額が資本金額とされます。ただし、払込みまたは給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができ、この場合には、資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならないとされています。
したがって、株式会社においては、少なくとも出資額の2分の1は資本金が増加することとなります。
そのため、選択肢の説明の通り資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできない、となります。
一方で、合同会社にはこのような規定は無く、資本金の計上は自由に決定でき、計上しない額は資本剰余金として計上します。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。株式会社では法人は取締役となることはできず自然人に限られていますが、合同会社においては法人が業務執行社員になることができます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:誤りです。上の図でも解説の通り、合同会社の社員は2名ではなく 1 名以上でOKです。選択肢の前半の株式会社についての記述は正しいです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。合同会社の社員も有限責任です。選択肢の前半の株式会社についての記述は正しいです。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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