【過去問解説(企業経営理論)】H29第3問 VRIO

今回はVRIOフレームワークについての問題です。

この問題は冒頭に丁寧に「VRIOフレームワーク」と書いてくれていますので、それがヒントになって比較的解きやすくなっています。

 

H29 企業経営理論 第3

企業の経営資源に基づく競争優位性を考察するVRIOフレームワークに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 外部環境の機会を適切に捉え脅威を無力化する経営資源は、業界内において希少でないときに、企業の一時的な競争優位の源泉となる。
イ 希少で価値がある経営資源を保有する企業は、他の企業がその経営資源を別の経営資源で代替するコストが小さい場合、持続的な競争優位を確立する。
ウ 組織内の事務作業を効率化する固有のノウハウは、業界内で希少でない場合、企業の一時的な競争優位の源泉となる。
エ 独自に長い年月をかけて開発した価値ある経営資源を保有する企業は、その資源が業界内で希少でないとき、資源をいかす組織の方針や体制が整わない中でも持続的な競争優位を確立する。
オ 予測が困難な環境変化が起きない場合は、希少で価値があり模倣が難しい経営資源は企業の持続的な競争優位の源泉となる。

 

 

選択肢アとウは、「業界内において希少でないときに、企業の一時的な競争優位の源泉となる」とありますが、希少でなければ、競争優位の源泉とはならないので×と判断できます。

選択肢イは、経営資源が希少であっても、それを別の経営資源で代替するコストが低ければ、すぐに代替できてしまいますので「持続的な競争優位を確立する」ことはできません。ですので×と判断できます。

選択肢エは、価値とおそらく模倣困難性はあるけど、希少性は低く組織も整っていないということのようです。VRIOの考え方では、VRIOのV、R、I、O全て揃っている企業は持続的な競争優位を有する、と考えますので、VとIはあるけどRとOがないこの選択肢では「持続的な競争優位を確立する」というのは誤りになります。

選択肢オは、「予測が困難な環境変化が起きない場合は」といっているので、記述は正しいと思われます。

 

以上から正解はオとなります。

 

この問題では冒頭に書いてある「VRIOフレームワーク」という言葉が、ヒントになって比較的解きやすくなっていますが、それがない場合でも「価値」、「希少」、「模倣」というキーワードからVRIOを想起できるようになっておくとより難しい問題にも対応できるようになります。

 

 

 

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