【過去問解説(企業経営理論)】H26 第26問 人的資源管理

今日は企業経営理論H26第26問について解説します。

 

H26 企業経営理論 第26問
企業が従業員の能力開発を目的として行う OJT、Off-JT、自己啓発に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア Off-JTとOJTは、それぞれの目的と役割がある。Off-JTは、主として社外の技術や知識、ノウハウを社内に取り入れることを目的としたものであり、OJTは、社内の技術やノウハウ、仕事の進め方などを社内に定着させることを目的としたものである。
イ Off-JTは、階層別教育と職能別教育が柱であるといわれているが、Off-JTが実際に効果があるのは、外部から企業に新たに参加してきた新入社員やマンネリズムに陥った管理職(者)など同質の集団を対象として行う階層別教育であって、営業や製造などのラインの業務に関して行う職能別教育においては、Off-JTはあまり効果がない。
ウ OJTは、管理職等が日常の活動の中で指揮命令を通して行うものであるから、OJTを計画的に実施したり、マニュアルに基づいてOJTを行うなどということは、実際には困難であり、あまり現実的ではない。
エ 自己啓発は本来自主的に行うものであるから、テーマや内容について他から強制されるべきものではないが、企業が設ける自己啓発支援制度においては、一般的には、業務に役立つ知識を習得したり、業務スキルを磨くものなど、自己啓発のテーマや内容を業務に関連のあるものが対象とされる。

解説

能力開発に関する問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アの説明は一見もっともらしいですが、OJTとは、業務を行いながら教育を行うもので、Off-JTとは業務を離れて教育を行うものですので、Off-JTにも社内研修はありますし、「社内の技術やノウハウ、仕事の進め方などを社内に定着させることを目的とした」という記述もOJTの主目的というわけではありません。

ただし、絶対に×かというとそうは断言できないため、一旦判断を保留し、他の選択肢を確認します。

選択肢イでは「営業や製造などのラインの業務に関して行う職能別教育においては、Off-JTはあまり効果がない」と断言していますが、そんなことはなく、職能別教育においてOff-JTは効果を発揮します。よって、この選択肢は×です。

選択肢ウでは、「OJTを計画的に実施したり、マニュアルに基づいてOJTを行うなどということは、実際には困難であり、あまり現実的ではない」とありますが、OJTを効果的に実施するためには計画的に実施することが望ましく、実際に計画的に実施している企業も多いですので、この選択肢は×と考えられます。

選択肢エはその通りで○です。自己啓発は、本来社員が自主的に行うものですが、業務に役立つ資格の講座の費用を負担するなどの自己啓発支援制度を行う企業もあります

 

選択肢アは判断を保留しましたが、選択肢エの方がより適切だと考えられるため、選択肢エの方を○としました。

以上から正解は選択肢エとなります。

 

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