【過去問解説(企業経営理論)】R5 第12問 企業の国際化

今日は、企業経営理論 R5 第12問について解説します。

 企業経営理論 R5 第12問

企業活動のグローバルな展開が進んでいる。企業の国際化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア C. バートレットと S. ゴシャールによれば、トランスナショナル戦略を追求する多国籍企業の中核となる資産や能力は、主に企業の本国において存在しており、他の国や地域における開発は不可能である。
イ C. バートレットと S. ゴシャールによれば、マルチナショナル企業はグローバル企業に比べて、個々の地域や市場への適応の度合いが高いため、国別の現地法人の自主性や独立性が高いという特徴を有する。
ウ J. ストップフォードと L. ウェルズのモデルによれば、一般的な企業の国際化の進展経緯は、地域別事業部制から製品別事業部制へ移行した後、グローバル・マトリックス組織形成に向かう。
エ R. バーノンは、米国の大企業の海外進出過程を分析し、製品ライフサイクルの進展に伴う発展途上国から先進国への生産拠点移転現象をモデル化した。

解説

企業の国際化に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。トランスナショナル企業とは、ざっくりというとグローバル戦略とマルチドメスティック戦略のいいとこどりをした発展形というようなイメージです。そのため資産や能力は必ずしも本国にあるとは限らず、地域ごとに最適な開発なども可能であるといえます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:その通りです。マルチナショナル企業は世界を独⽴した市場の集合体として捉え、現地市場への適応の必要性が⽐較的⾼い製品を扱うことができます。現地への権限委譲を積極的に⾏い、開発や⽣産、販売は各国ごとに⾏います。それによって、現地のニーズにきめ細かく対応できる点がメリットです。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢ウ:誤りです。企業の国際化の進展経緯として、最終的にグローバル・マトリックス組織を形成するという点は正しいですが、その前段階で地域別事業部制や製品別事業部制を取るかは企業の戦略次第ですので一概にこの順序とは言えません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。 バーノンは、米国の大企業の海外進出過程を分析し、製品ライフサイクルの進展に伴う先進国から発展途上国への生産拠点移転現象をモデル化しています。もしこの分析を知らなくても、大企業の海外進出をイメージすると、製品は最初は先進国で開発されますが、製品ライフサイクルに沿って大量生産が必要になると、発展途上国で生産した方が有利になると考えることが出来ます。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢イとなります。

 

 

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