【過去問解説(財務・会計)】H27第13問(1)(2) MM理論

今回は、財務・会計から、平成27年の第13問のMM理論の問題について解説します。

 

H27 財務・会計 第13問

MM 理論に基づく最適資本構成に関する以下の記述について、下記の設問に答えよ。
MM 理論の主張によると、完全な資本市場の下では、企業の資本構成は企業価値に影響を与えない。しかし、現実の資本市場は完全な資本市場ではない。そこで、完全な資本市場の条件のうち、法人税が存在しないという仮定を緩め、法人税の存在を許容すると、負債の増加は[ A ]を通じて企業価値を[ B ]ことになる。この条件下では、負債比率が[ C ]の場合において企業価値が最大となる。
一方で、負債比率が高まると、[ D ]も高まることから、債権者も株主も[ E ]リターンを求めるようになる。結果として、[ A ]と[ D ]の[ F ]を考慮して最適資本構成を検討する必要がある。
(設問1)
記述中の空欄A〜Cにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア A:支払利息の増加による株主価値の低下  B:高める  C: 0 %
イ A:支払利息の増加による株主価値の低下  B:低める  C:100 %
ウ A:節税効果  B:高める  C:100 %
エ A:節税効果  B:低める  C: 0 %
(設問2)
記述中の空欄D〜Fにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア D:債務不履行(デフォルト)リスク  E:より高い  F:トレードオフ
イ D:債務不履行(デフォルト)リスク  E:より低い  F:相乗効果
ウ D:財務レバレッジ  E:より高い  F:相乗効果
エ D:財務レバレッジ  E:より低い  F:トレードオフ

 

それでは、それぞれの設問について考えていきましょう。

(設問1)
この問題はMMの修正命題を覚えているかどうかが問われている非常に簡単な問題ですので絶対に取りたいです。
MMの修正命題に基づくと、
負債の増加は節税効果によって節税効果の現在価値分だけ企業価値が向上しますので、空欄Aには「節税効果」が、空欄Bには「高める」が入ります。
ということは負債比率が100%のときに企業価値は最大になりますので、空欄Cには「100%」が入ります。

以上から正解は選択肢ウとなります。

(設問2)
空欄Dを見ると、「負債比率が高まると[ D ]も高まる」とあり、選択肢を見ると候補には「債務不履行(デフォルト)リスク」、「財務レバレッジ」が挙げられており、この部分だけ見るとどちらも入りうると考えられます。
しかし「一方で、負債比率が高まると、[ D ]も高まることから」とあり、その前の文章にはいいことが書いてありましたので、恐らく悪いことが書いてあるだろうと考えることができ、その場合は債務不履行(デフォルト)リスクが入りそうだと考えることができます。
では、その場合文章はどうなるのか、と考えると、デフォルトリスクが高まると、債権者は倒産してお金が回収できなくなるリスクを見込んで、より高いリターンを求めます。すると、節税効果とのトレードオフを考慮するようになります。
そのため、空欄Eには「より高い」、空欄Fには「トレードオフ」が入ります。

以上から正解は選択肢アとなります。

 

 

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