【過去問解説(財務・会計)】H28 第15問 (2)共分散・相関係数

今日は、財務・会計のH28 第15問 (設問2)について解説します。

 財務・会計 H28 第15問 (設問2)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、3つの投資案-投資案 A〜投資案 Cについて検討している。各投資案の収益率は、景気や為替変動などによって、パターン①〜パターン④の4つのパターンになることが分かっており、パターンごとの予想収益率は以下の表のとおりである。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、各パターンの生起確率はそれぞれ25 %と予想している。

(設問2)
投資案Aおよび投資案Cに関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 投資案 A と投資案 C に半額ずつ投資する場合も、投資案 C のみに全額投資する場合も、予想収益率の分散は同じである。
イ 投資案 A の予想収益率と投資案 C の予想収益率の相関係数は2である。
ウ 投資案 C の予想収益率の期待値は 64 % である。
エ 投資案 C の予想収益率の標準偏差は、投資案 A の予想収益率の標準偏差の2倍である。

解説

共分散と相関係数に関する問題です。
それぞれについて、まとめシートでは以下の通りまとめています。

それでは選択肢をみていきましょう。
電卓が無い一次試験では、実際の計算しなくても知識をつかってあたりをつけながら解答を導く場面もあり、本問もそのようにして解いていくと良いでしょう。

選択肢ア:誤りです。投資案Aと投資案Cの収益率の合計を見てみると、投資案Aは32%、投資案Cは64%ですので、正確な値は分からないものの投資案Aの方が分散は必ず小さくなります。

選択肢イ:誤りです。相関係数(ρ)は、上図のまとめシートの解説の通り-1 ≦ ρ ≦ 1に限られています。

選択肢ウ:誤りです。投資案Cは収益率の合計が64%ですので、期待収益率は64%に各生起確率をかけると、64%より必ず小さくなります。

選択肢エ:その通りです。限られた時間の中で計算するのは厳しいですが、消去法でエが選べます。考え方としては、各パターンの生起確率は25%、またそれぞれのパターンの予想収益率は、全て投資案Aの2倍が投資案Cとなっているので、選択肢の説明が正しいことが分かります。
ちなみに、標準偏差を求める公式は以下の通りですので、この公式に沿って計算してみると、確かに2倍になります。

以上から、正解は選択肢エとなります。

設問1の解説はこちら

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