【過去問解説(運営管理)】H30 第26問 人時生産性

今日は、運営管理のH30 第26問について解説します。

 運営管理 H30 第26問

下表は、ある店舗における1カ月の営業実績をまとめたものである。
人時生産性を改善するために、営業時間などを変えた販売計画を検討している。
それぞれの販売計画に関する下記の解答群の記述のうち、現状の営業実績と比べて人時生産性を最も大きく改善できるものはどれか。

〔解答群〕
ア 営業時間を延長して売上高を20%増やす。ただし、総労働時間は810時間となり、粗利益率、人件費単価は変わらないものとする。
イ 人件費以外の販売経費を10%削減して営業利益を増加させる。ただし、総労働時間、粗利益率は変わらないものとする。
ウ 総労働時間を30時間減らして人件費を削減する。ただし、売上高、粗利益はそれぞれ5%減少し、人件費単価は変わらないものとする。
エ 値引きロスを減らして粗利益率を33%に改善する。ただし、売上高、人件費、総労働時間は変わらないものとする。

解説

人時生産性に関する計算問題です。
人時(にんじ)生産性については、まとめシートでは以下の通りまとめています。

それでは選択肢をみていきましょう。

まず、現在の人時生産性は 270/600=0.45ですのでこの値と比較していきます。
各選択肢、正確な数字までは計算しなくても、〇%増加、減少などを把握するまでで正誤判定をできる場合もありますのでそのような戦略で解答していきます。

選択肢ア:誤りです。粗利益の増減ですが、売上高20%Up、粗利益率は不変なので粗利益も20%アップします。また、総労働時間については810時間に増えますが、現在の600時間から35%アップします。これらより、分子の増加よりも分母の増加の方が大きいので、人時生産性は現在よりも下がります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。上のまとめシートの公式にもありますが、人時生産性の指標において営業利益は使用しません。よって、この施策を実施後の人時生産性値は不変です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。総労働時間が30時間減少ということなので、分母は現在の600時間から5%ダウンとなります。一方、粗利益も5%ダウンですので、分母と分子の減少率が同じであり、施策実施後も人時生産性の値は不変です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。粗利益率が改善され、現在より3%アップしますので分子の粗利益の値は上昇します。一方、分母の総労働時間は不変ですので、人時生産性の値は上昇します。

以上から、正解は選択肢エとなります。

このように、指標の値をそのものを求めなくても変化前後の数字の大小や分子、分母の比較で正誤を導ける場合もあります。
本番の試験は時間も限られていますので、テクニックとして有効活用していきましょう。

 

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